2022年『胃と腸』賞授賞式
取材記事
2024.01.29 週刊医学界新聞(通常号):第3551号より

2022年『胃と腸』賞の授賞式が2023年9月20日に開催された。本賞は『胃と腸』誌に掲載された論文から,年間で最も優れた論文に贈られるもの。授賞式は,ウェビナー形式の早期胃癌研究会にて行われた。
今回,対象論文145本の中から,松枝克典氏(岡山大学病院,論文執筆時:大阪国際がんセンター)らによる「胃神経内分泌腫瘍(NET)・神経内分泌細胞癌(NEC)の内視鏡診断」[胃と腸.2022;57(7):900-11.]が受賞した。松枝氏には賞状と盾が授与され,授賞式当日は『胃と腸』編集委員長の松本主之氏(岩手医大)から選考経過の説明とお祝いの言葉が述べられた。
◆胃神経内分泌腫瘍と神経内分泌細胞癌の臨床病理学的特徴を比較検討
胃の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)は一般的に低悪性度の経過をたどる予後が良い腫瘍である一方,神経内分泌細胞癌(neuroendocrine carcinoma:NEC)は早期より転移を来す予後不良の高悪性度癌である。胃においてNECとNETは全く異なる性質の腫瘍であるため,悪性度が高いNECは,NETまたは一般型胃癌とも厳密に区別しなければならず,内視鏡所見に基づく鑑別診断と,適切な部位から採取した生検組織に免疫組織化学染色を積極的に行うことが求められている。
今回の松枝氏の論文は,2005~21年までに大阪国際がんセンターにて胃病変に対して生検,内視鏡的切除あるいは外科手術を施行した症例の中から,病理組...
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