医学界新聞

書評

2023.10.09 週刊医学界新聞(レジデント号):第3536号より

《評者》 薬師寺慈恵病院院長

 救急外来では,迅速かつ正確に患者の病態を把握して,緊急性が高い場合には即時介入し,生命予後を左右するような疾患の除外をし,さらにはその場で行わねばならない処置を的確に行う必要があります。毎日がこれの繰り返し。しかし,患者さんは千差万別。同じ疾患でも,全く異なる症状でやってくることも多々あるので,毎日やみくもに働いているだけでは救急対応の能力は磨かれません。緊急性の判断や,除外診断を適切に行うには,膨大な時間と経験が必要になります。もちろん,不適切な修行は時間の無駄ですし,何をしてよいか悩んでいる時間すらリスクになるのが救急外来です。われわれには道しるべが必要なのです。

 初期臨床研修は,研修医一人当たりかなりの数の救急車対応をする病院で学ばせてもらいました。が,当然最初は進むべき道がわかりません。途方に暮れる研修医に道を照らしてくれたのが,この『問題解決型救急...

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