第26回東アジア看護学研究者フォーラムを終えて
寄稿 池田真理
2023.05.29 週刊医学界新聞(看護号):第3519号より
東アジア看護学研究者フォーラム(East Asian Forum of Nursing Scholars:EAFONS)は,看護系大学の博士課程の大学院生および修了生,大学院教育に携わる教育・研究者を対象とする国際研究フォーラムである。1997年の設立当時,大学院博士課程の教育を実施していた日本を含む東アジア7か国が理事国となり,学術集会を毎年開催してきた。近年はコロナ禍によりオンライン開催が続いていたものの,第26回大会は日本看護系大学協議会と東京大学のメンバーから構成された企画運営委員会が,1年をかけて対面開催に向けた準備を進めてきた。そしてこのたび2023年3月10~11日に,東京大学本郷キャンパスでの開催が実現し,登録者が1838人,現地参加者は1032人(約4割は海外から)と,今までにない盛況であった。
大会テーマは「未曾有の時代における看護学博士課程教育のレスポンス――持続可能なwell-beingに向けて」。世界中の人の持続可能な幸福の実現に向け,積み重ねられてきた知を大事にしながら,時代のニーズに柔軟に変化・発展し続ける看護学について,未来志向的に考える大会となった。開会式は威勢の良い和太鼓から始まり,開会挨拶では本年2月に発生したトルコ・シリア大地震,そして12年前の東日本大震災に思いを馳せて祈り,看護職としての責務を果たすべく,積極的な2日間を過ごそうと呼びかけた。基調講演には看護学研究の初学者が必ず手に取る書物,『看護研究――原理と方法(第2版)』(医学書院)の...
この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。

池田真理(いけだ・まり)氏 EAFONS代表理事・第26回EAFONS大会長/東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻 教授
東大医学部保健学科を卒業後,花王株式会社に入社。その後,厚労省で看護行政などに従事する。筑波大大学院教育学修士,東大大学院保健学博士。2021年より東大大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻教授,同年1月からEAFONS代表理事。
いま話題の記事
-
医学界新聞プラス
[第1回]心エコーレポートの見方をざっくり教えてください
『循環器病棟の業務が全然わからないので、うし先生に聞いてみた。』より連載 2024.04.26
-
医学界新聞プラス
[第3回]冠動脈造影でLADとLCX の区別がつきません……
『医学界新聞プラス 循環器病棟の業務が全然わからないので、うし先生に聞いてみた。』より連載 2024.05.10
-
医学界新聞プラス
[第1回]ビタミンB1は救急外来でいつ,誰に,どれだけ投与するのか?
『救急外来,ここだけの話』より連載 2021.06.25
-
医学界新聞プラス
[第2回]アセトアミノフェン経口製剤(カロナールⓇ)は 空腹時に服薬することが可能か?
『医薬品情報のひきだし』より連載 2022.08.05
-
対談・座談会 2025.03.11
最新の記事
-
対談・座談会 2025.04.08
-
対談・座談会 2025.04.08
-
腹痛診療アップデート
「急性腹症診療ガイドライン2025」をひもとく対談・座談会 2025.04.08
-
野木真将氏に聞く
国際水準の医師育成をめざす認証評価
ACGME-I認証を取得した亀田総合病院の歩みインタビュー 2025.04.08
-
能登半島地震による被災者の口腔への影響と,地域で連携した「食べる」支援の継続
寄稿 2025.04.08
開く
医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。