医学界新聞

書評

2023.04.10 週刊医学界新聞(レジデント号):第3513号より

《評者》 山口大病院准教授・総合診療部

 研修医と一緒にERで診察をしていると,症状から鑑別診断を考え,初期対応として何を行うべきかがわからずに立ち尽くしている状況を時々見ます。研修医の成長段階を質的研究すると,それは「立ち尽くすフェーズ」と言われ,そういえば若いころの私たちもERで何をしたら良いかわからず,立ち尽くしていた時期があったことを思い出します。私たち指導医は,研修医がなぜ立ち尽くしているのだろうと,彼らの立ち尽くす原因を鑑別診断するのですが「vitalが変化している患者さんにまずは何をしたら良いかわからない」「主要な症状からどのような疾患を鑑別したら良いかわからない」「疾患は想起できているが,診断を確定するための検査方針がわからない」など研修医が立ち尽くす原因はさまざまです。中には何がわからないのかもわからないといった答えさえも聞かれますが,そういった「立ち尽くすフェーズ」を上手......

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