医学界新聞


定位・機能神経外科手術の発展に貢献した平孝臣氏が日本人4人目の受賞

取材記事

2022.10.24 週刊医学界新聞(看護号):第3490号より

 定位・機能神経外科手術の発展に貢献した脳神経外科医に贈られるSpiegel-Wycis Awardを,平孝臣氏(東京女子医大)が受賞した。定位脳手術の先駆者であるSpiegel,Wycis両博士の名前を冠した本賞は本領域での最高の賞に位置づけられており,国際定位機能神経外科学会が開催する「世界定位・機能神経外科学会」の折に授与される。1977年に賞が設立されて以来,平氏の受賞は日本人として4人目となる。

 平氏は,本邦で初めてジストニアに対する脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation:DBS)を行った定位・機能神経外科手術分野の第一人者である。そのほか,局所性ジストニアに対する熱凝固手術治療や痙縮に対するバクロフェン髄腔内投与療法(Intrathecal Baclofen Therapy:ITB),本態性振戦・パーキンソン病に対するMRIガイド下集束超音波視床破壊術などのさまざまな治療法を確立し,領域をリードしてきた。

 平氏は,「このたび脳神経外科のさまざまな分野の中で最も歴史のある本会で,定位脳手術の開祖であるSpiegel,Wycis両博士の名を冠した本賞を受賞したことは極めて光栄なことです」と受賞の喜びをコメント。また,「今後さらに日本の若手の方々に神経科学と外科学の融合した本分野に興味を持っていただき,多くの患者さんの病に立ち向かってもらいたいと思います」と若手医師への期待を述べた。

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(左)授賞式での平孝臣氏,(右)平氏に授与された表彰盾

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