医学界新聞

書評

2022.03.21 週刊医学界新聞(通常号):第3462号より

《評者》 飯塚病院連携医療・緩和ケア科

 本のタイトルを見て「あれ」と思った。ACP(Advance Care Planning)は緊急で行うものなのか?

 もちろん,理想的には前もってACPが行われており,それに合わせて治療方針を決めることができるに越したことはない。しかし,ACPは広がっていない。

 縁起でもないと遠ざけられ,「治療をするか? しないか?」無理やり選択を迫るものをACPと誤解している医療者も多く,ACPの普及にはまだまだ時間がかかるだろう。

 そして,ACPがたとえ完璧に行われていたとしても,最前線の医療者が理解せず,うまくコミュニケーションができなければ適切な治療方針につながらず,「こんなはずじゃなかった」という意思決定になってしまう。そこで本書の“緊急ACP”である。

 本書では,主に3つのスキルを解説している。

 悪い知らせを話す際のロードマップ(SPIKES)・感情に対応するスキル(NURSE)...

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