医学界新聞


医学書院主催オンラインセミナー開催

2020.11.23



スタッフの自律的な成長を促す1on1ミーティングの効果とは
医学書院主催オンラインセミナー開催


 週に1度など定期的に,上司と部下が短時間の対話の時間を持ち,部下の内省と経験学習を促す「1 on 1ミーティング」(以下,1 on 1)。IT企業のヤフーでは「社員一人ひとりの才能と情熱を解き放つ」というテーマのもと,2012年から1 on 1を社内の正式な人事制度とし,約7000人の社員を対象に全社で実施している。導入以来,人財育成と組織開発の手法として成果を挙げており,現在ではヤフーだけでなく多くの企業が1 on 1を導入している。

 医学書院では10月24日に,人事の責任者として社内に1 on 1を導入し定着させたヤフーの本間浩輔氏(取締役常務執行役員)を講師に招き,オンラインセミナー「看護管理者のための1 on 1ミーティング」を開催した。病院の看護管理者,訪問看護ステーションの管理者などを中心に全国から約70人が参加した。ビジネスと看護の文脈をつなぐモデレーターを保田江美氏(国際医療福祉大)が務めた。

1 on 1の活用で個人と組織の成長・発達を支援

 1 on 1は面談や面接とは異なり,部下のための時間であり,職場における「経験学習サイクル」 を日常的に回すための仕組みである。上司が良質な問いを投げ掛けることで,部下は経験を振り返り,課題を掘り下げて考え,自ら気付く自律型の人財に成長していく。 

 本間氏はマネジメント側に与える1 on 1の効果として,①上司と部下の信頼関係の醸成,②経験学習の促進,③部下を知る,④組織を知る,⑤フィードバック,⑥報連相,⑦成果の確認・状況の確認,⑧育成の8点を挙げた。臨床看護において「リフレクションを通じた自律的な人財育成」は長年にわたり課題になってきたことから,看護界における1 on 1の活用が期待される。本セミナーで参加者は,本間氏の講演や参加者間のロールプレイを通じて1 on 1とは何かを学ぶとともに,Zoomのブレイクアウトルーム機能を活用したグループワークを通じて看護現場での活用方法を検討した。

 本間氏は講演の中で,看護領域で重視されている「人間発達学」は組織づくりにおいても重要だと述べ,生涯成長し続けられる人間同士が,協働し探り合いながら発達していくのがこれからの組織のありようであるとし,1 on 1はそういった個人と組織の成長・発達を支援するものであるとした。同時に,変化の速い時代におけるトップダウン型組織の限界に言及するとともに,1 on 1を通じて常に現場から多くのフラットな情報を迅速に得られることが,正しい意思決定や健全な組織マネジメントに寄与すると述べた。

 1 on 1は,複雑な時代を生きる個人と組織にさまざまな相乗的な効果を創出する可能性がある。参加者からは,臨床現場での1 on 1の実践方法をさらに深めるため,第二弾のセミナー開催を期待する声が寄せられた。

本間浩輔氏 保田江美氏