医学界新聞

2019.06.10



新内科専門医試験の出題傾向は
第116回日本内科学会の話題より


 新専門医制度の2018年度開始を受け,新たな内科専門医試験が2021年に実施される。内科専門医制度は従来,卒後3年で認定内科医を取得後に総合内科専門医または内科サブスペシャルティ領域専門医を取得できたが,新制度では内科専門医取得は卒後5年となる。新専門医制度に移行し,内科専門医試験はどのような出題形式と出題傾向になるのか。第116回日本内科学会総会・講演会(日時=4月26~28日,場所=名古屋市・ポートメッセなごや)の会期中に開催された医学生・研修医向けの講演会において,新しい内科専門医試験の実際とポイントが紹介された。

 登壇した日本内科学会・資格認定試験委員会委員長の岡崎仁昭氏(自治医大)は,卒前から卒後の一環した医師養成を念頭に,新内科専門医試験の出題形式は,卒前教育で行う共用試験CBT,医師国家試験で出題される5肢選択式の一般問題と,臨床実地問題を基本に出題すると説明した。問題数は一般問題75~100題,臨床実地問題125~150題の計200~250題になり,難易度は現行の認定内科医試験を踏まえ,臨床実地問題の出題を重視すると述べた。

 出題傾向については,総合内科分野の出題数を増加させ,特に研修カリキュラムの基本的診療技能と主要症候に重点を置いて出題される見込みだという。講演の中で氏は,より実地臨床に即した長文連問臨床問題を導入するとし,関節痛と呼吸困難を主訴とする例題を紹介。「専攻医が臨床研修に取り組んだ成果を評価できるよう,症候から優先順位を考慮しつつ鑑別診断を進める臨床医の思考過程に沿った問題や,内科救急疾患の初期治療に関する問題を重視した出題になる」と述べた。

写真 講演する岡崎氏

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