医学界新聞

2019.04.01



金原一郎記念医学医療振興財団助成金


第3回生体の科学賞授賞式

写真 菊池章氏
 第3回生体の科学賞授賞式が3月8日,医学書院(東京都文京区)にて行われた。本賞は金原一郎記念医学医療振興財団の基金をもとに,2016年度に創設。基礎医学医療研究領域における独自性と発展性のあるテーマに対して,研究費用全般への支援を目的に,1件500万円の助成を行うものである。

 開会に際し,金原優同財団常務理事(医学書院代表取締役会長)が,医学書院の創業者・金原一郎の遺志を継いで設立された同財団の概要を紹介。「この受賞を機にさらに研究を進め,日本の医学のレベルを高めてほしい」と激励の言葉を述べた。

 今回は,菊池章氏(阪大大学院)による「新規シグナル伝達機構による癌細胞増殖機構の解明と社会実装のための基礎研究」が受賞した。近年,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など,画期的な新薬が開発されている。しかし,それらは全ての癌患者に福音をもたらすものではなく,新たな分子標的の探索は重要な研究課題となっている。菊池氏は,CKP4という新たな癌細胞増殖制御因子の研究を展開。この分子が膵癌や肺癌の発症や進展に関与することを明らかにした。

 受賞のあいさつに立った菊池氏は,「癌との関連をさらに明らかにするとともに,抗体医薬品の開発につなげることが目的。これからの創薬をめざす基礎研究への支援に感謝したい」と語った。

第65回認定証(研究交流助成金,留学生受入助成金)贈呈式

 金原一郎記念医学医療振興財団は3月8日,医学書院にて第65回認定証贈呈式を開催した。同財団は基礎医学の振興を目的に,年に2回,助成金を交付している。下期である今回は,海外で行われる基礎医学医療に関する学会等への出席を助成する研究交流助成金,基礎医学医療研究を目的に日本へ留学する大学院生等を助成する留学生受入助成金が交付された。今回の助成対象者は29人で,贈呈式には対象者を代表して永野秀和氏(千葉大大学院),他3人が出席した。

 同財団理事長の野々村禎昭氏(東大名誉教授)は,「本賞は,基礎医学の領域をカバーした選考委員たちが研究内容を評価する。厳しい選考をくぐり抜けた皆さまは大いに見聞を広め,自信を持って研究してほしい」と出席者に呼び掛けた。

 交付対象者を代表して永野氏があいさつに立った。氏は,家族性異常アルブミン性高サイロキシン血症の症例と,疾患に伴う甲状腺検査値異常の機序を,3月に開催される米国内分泌学会で報告する。本疾患は,日本と欧米間でアルブミン遺伝子の変異ホットスポットが異なると考えられており,氏は「世界の甲状腺疾患を専門とする基礎研究者・臨床家とのディスカッションを図り,さらなる研究の推進につなげたい」と抱負を述べた。

写真 贈呈式には,29人の交付対象者のうち,東京近郊の4人が出席した。

*同財団助成金の詳細については,同財団助成事業募集要項を参照されたい。


●金原一郎記念医学医療振興財団

第33回研究交流助成金・留学生受入助成金交付対象者

No. 氏名 所属機関(略称) 助成対象
1 アニコ
カーパティー
東北大学院/医学/機能薬理学分野 第14回欧州グリア細胞学会
2 井上 晋一 東北大学院/医学/遺伝医療学分野 ヨーロッパ人類遺伝学会 2019
3 岩渕 英里奈 東北大学院/医学/病理診断学分野 米国癌学会 2019
4 河野 通仁 北大学院/院医研/免疫・代謝内科学教室 2019年臨床免疫学連盟会議
5 清水 輝記 京府医大/泌尿器外科学 米国癌学会総会
6 白石 学 自治医大/総合医学第二講座 米国心臓病学会 サイエンティフィックセッション 2019
7 末永 雅也 名古屋医療セ/外科 第50回米国膵臓学会
8

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