医学界新聞

2018.08.27



第24回日本看護診断学会開催


 第24回日本看護診断学会学術大会(大会長=慈恵医大・佐藤正美氏)が7月28~29日,「看護診断の原点にかえろう――クライエントの健康な生活に有益な看護介入に向けて」をテーマにTFTビル(東京都江東区)にて開催された。本紙では,3つの病院の看護師が登壇し,各病院における看護診断の活用が紹介されたシンポジウム「有益な看護介入の実践へ向けた看護診断の取り組み」(座長=佐賀大・長家智子氏,東京医大病院・本田裕美氏)の模様を報告する。

より良いケアに向け,3病院は看護診断をどう活用してきたか

佐藤正美大会長
 シンポジウムでは初めに杉浦なおみ氏(慶應大病院)が,同院が20年以上にわたり継続してきた取り組みを報告した。同院では看護診断の効果的活用をめざすプロジェクトが1996年に発足。まず,当時の全入院患者の看護記録を調査し,使用頻度の高い看護診断名を同定した。上位10診断で全体の約70%を占めることがわかり,97年にはその10診断について標準看護計画の開発に着手した。従来は疾患別に作成されていた標準看護計画を看護診断別にすることで,看護行為を共通言語化し,院内全体のケアの標準化を図った。また,ベッドサイドでの具体的な手順を示す実践ガイドを併せて作成し,よく使う看護診断を正しく使うために組織を挙げて取り組んだという。さらに,標準看護計画の開発,認定看護師やEBP(Evidence-Based Practice)との連動による根拠の見直し,院内教育を継続し,電子カルテの導入や平均在院日数の

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