医学界新聞

書評

2016.08.08



【企画広告 interview】

病棟や外来で,自分のデスクで,
電子書籍はこう使う

谷口 俊文氏(千葉大学医学部附属病院 感染症内科助教)に聞く


 『内科診療 ストロング・エビデンス』(医学書院)の著者であり,現在は大学病院において内科学や感染症学,EBMの普及に尽力する谷口俊文先生。その著書の中では,論文の批判的吟味を行ったトピックのまとめをデータベース化する手法を「EBM実践の方法」として紹介するなど, “デジタル通”の一面も持ちあわせています。そんな谷口先生に,電子書籍の活用方法を聞いてみました。


――『内科診療 ストロング・エビデンス』を読むと,谷口先生の知識の幅広さと深さに圧倒されます。研修医時代から,さまざまな領域の医学書を買いあさっていたそうですね。

谷口 当時は臨床研修の必修化前でしたが,私が初期研修を行った武蔵野赤十字病院は既にスーパーローテート研修を行っていました。診療科が変わるたびに,和書・洋書を問わず買いそろえていたので,私のデスクはすごいことになっていました。同僚からは「移動図書館」と呼ばれたこともあります(笑)。

 ただ,洋書に関してはちょうどMD Consultが出てきたころで,そのうち個人アクセス権を購入するようになりました。そのころからですね,電子書籍を使い始めたのは。

――周囲と比べると相当早いですよね。

谷口 当時は本の置き場所に困っていたのと,分厚い本は持ち運びができずに調べものにも苦労していたので,必要に迫られた感じです。

――現在は,電子書籍をどのように活用されていますか?

谷口 同じ電子書籍でも,成書とマニュアルで使い分けていますね。電子書籍で便利なのは,何冊もの分厚い成書の串刺し検索ができることです。聞き慣れない用語について勉強したいときはアプリの検索機能を使って,内科学ならHarrison,感染症ならMandellなどの成書の該当ページを読むことが多いです。医学生時代と違って,臨床医になると分厚い成書を通読する時間はなかなか取れないので,ポイントを絞って勉強するのにこのやり方は有効です。

 一方,病棟や外来診療において投薬や処置に関する調べ物をするときは,マニュアル系の電子書籍を使います。こうした際は,アプリから複数書籍の検索をかけるのではなく,マニュアル本の該当箇所に直接アクセスすることが多いです。本を通読して構成をあらかじめ覚えておき,よく使うページはしおり(ブックマーク)機能なども活用すると,さらにアクセスが...

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