医学界新聞

寄稿

2016.07.11



【特集】

新専門医制度でジェネラリストをめざすには
内科と総合診療,どちらを選ぶ?


 新専門医制度においては,内科専門医と総合診療専門医は共に基本領域専門医として位置付けられる。そして複数の基本領域専門医の研修を同時に行うことは認められない(本紙第3178号参照)。内科・総合診療のジェネラリストをめざすならば,いずれかの領域を選択することになるが,研修医としては両者の違いがイメージしにくいようだ。本紙では,従来から大きく変わる内科専門医制度,新設の総合診療専門医制度の概要を解説する(2面に関連インタビュー)。


新設の総合診療専門医,変革の内科専門医

 総合診療専門医は,新専門医制度の創設に当たり新設された基本領域専門医だ。厚労省「専門医の在り方に関する検討会報告書」(2013年4月)では,中立的な第三者機関(現在の日本専門医機構)の設立とともに,総合診療専門医の育成が提言されており,新専門医制度の“目玉”とも言われる。

 関連学会・団体での“オールジャパン”での構築をめざした経緯から,他の基本領域とは異なり,専門医機構が主体となりプログラム整備基準の作成や申請受付が行われている。到達目標として示された6つのコアコンピテンシー(人間中心の医療・ケア,包括的統合アプローチ,連携重視のマネジメント,地域志向アプローチ,公益に資する職業規範,診療の場の多様性)に沿って研修を行うのも特徴的だ。

 一方で,現行の基本領域のうち最も大きく変わるのは内科専門医制度だろう()。従来は認定内科医取得(卒後3年目)後に総合内科専門医または内科サブスペシャルティ領域専門医を取得できたのが,新制度では内科専門医取得(卒後5年目)後でなければ内科サブスペシャルティ領...

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