第43回日本集中治療医学会開催
2016.03.07
長期予後を見据えた集中治療へ
第43回日本集中治療医学会開催
第43回日本集中治療医学会学術集会(会長=徳島大・西村匡司氏)が2月11-14日,“Be an Intensivist”をテーマに神戸国際展示場,他(兵庫県神戸市)にて開催された。
本紙では,集中治療における長期予後の重要性とともに注目されるようになった「PICS,ICU-AW」の疾患概念および早期離床のエビデンス,「日本版敗血症診療ガイドライン」の改定に向けた最新情報について報告する。
「PICS,ICU-AW」の普及と,「ICUからはじめる早期離床」
西村匡司会長 |
集中治療における筋力低下やせん妄,認知機能障害などの合併症の予防策として期待されるのが,早期離床である。教育講演「ICUからはじめる早期離床」では田中竜馬氏(LDS Hospital)が,早期離床の安全性や経済性,効果について報告した。
安全性に関しては,人工呼吸器装着を4日間以上要する103例を対象とした前向きコホート研究において,合計1449回の離床で重大な有害事象は認められなかった(Crit Care Med. 2007[PMID: 17133183])。経済性に関しては,「離床チームの人件費はかかるが,入院日数が短くなるので相殺する」といった研究があるという(Crit Care Med. 2008[PMID: 18596631])。
また効果に関しては,早期離床による人工呼吸器非使用日数の増加,せん妄の日数短縮,ICU退室後の機能的自立を示し...
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