医学界新聞

2015.09.28



第19回日本看護管理学会開催


パネルディスカッションの模様
 第19回日本看護管理学会学術集会が8月28-29日,佐藤エキ子会長(大原綜合病院)のもと,ビッグパレットふくしま(福島県郡山市)で開催された。東日本大震災からの復興への思いを込め,テーマには「乗り越える力・生み出す力――苦境の中で発揮する看護管理」が掲げられた。本紙ではパネルディスカッション「看護ケア提供システムをどうするか――看護管理者の選択」(座長=東大大学院・武村雪絵氏,聖路加国際病院・柳橋礼子氏)の模様を報告する。

看護ケア提供システムを選ぶ上で,忘れてはならないポイントは?

 看護ケア提供システム(以下,看護方式)の現状を解説したのは叶谷由佳氏(横浜市大)。1970年代以前は米国から導入されたシステムが用いられていたが,以降は,西元勝子氏(固定チームナーシング研究所)が1973年に開発した「固定チームナーシング」,橘幸子氏(福井医療短大)を中心に2009年福井大病院で開発された「パートナーシップ・ナーシング・システム(Partnership Nursing System;PNS®)」と,日本の現状に合ったものが開発・導入されるようになったと説明。各種看護方式の長所短所を解説した上で氏は,数ある看護方式から自施設に合ったものを選択するには,目的を考慮し,看護実践能力の向上に合致したものかを踏まえる必要があるとの見解を示した。

 続いて,固定チームナーシングの開発者である西元氏が登壇した。同システムは,1チーム10人以内の小集団を作り,リーダーとメンバーを1年間固定する点が特徴だ。リーダーナースと臨床看護師の育成,他職種との看護理念の共有が実現でき,対象者中心の質の高いケアを提供できるという。氏は,看護方式選択に...

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