第20回日本看護診断学会開催
2014.08.25
第20回日本看護診断学会開催
第20回日本看護診断学会が,7月12-13日,小平京子大会長(関西看護医療大)のもと神戸国際会議場にて開催された。電子カルテの導入が進み看護診断が現場へと浸透する中,臨床・教育現場ではより実用的な使用法が模索されている。本紙では,今後日本独自の看護診断を開発していく上での研究の重要性を議論したシンポジウム「看護診断の研究」(座長=天理医療大・中木高夫氏,名大大学院・本田育美氏)の模様を報告する。
日本の実状に沿った看護診断の活用をめざして
新たな看護診断ラベル「非効果的衝動コントロール」を開発した経験を持つ永田明氏(天理医療大)は,「看護師は日々行っている実践と看護診断との間にギャップを感じながらも看護診断を教条主義的に使用しているのではないか」と問題提起。現在のNANDA-Iの看護診断は全ての看護実践に適用するには十分とは言い難く,日本特有の看護介入の根拠となる看護診断を開発していく必要があると述べた。氏は,自身の経験から,NANDAインターナショナルへ新たな看護診断を提案するための手順を説明。看護系学会や看護系大学院による研究を基に,日本からNANDAインターナショナルへ積極的な意見発信を行っていくべきと呼び掛けた。
長谷川智子氏(福井大)は看護診断の妥当性について,(1)その診断名が人間の反応を分類する上で妥当か,(2)看護師が各患者に正しい診断名をつけているかという二つの観点を挙げた。氏は,末期がんの告知後に怒りを表出するようになった男性患者に「無力感」という看護診断をつけ,その後の看護介入が成功した事例を紹介。この事例を他の看護師がどのように診断するか調査したところ,「無力感」よりも「不安」と診断した回答が多く,身体的な問題と比較して,精神的な...
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