医学界新聞

2012.07.02

第13回日本言語聴覚学会開催


 医療や福祉領域に,年々活躍の場を広げる言語聴覚士(以下,ST)。ニーズの多様化に応え,近年では専門性の向上や,他職種との連携力強化が求められつつある。6月15-16日に福岡国際会議場(福岡市)にて開催された第13回日本言語聴覚学会(会長=国際医療福祉大福岡リハビリテーション学部・深浦順一氏)では,「言語聴覚療法の専門性を追究する」というテーマを掲出。発達障害,認知症,摂食・嚥下障害の各領域で,STがより高い専門性を発揮してチーム医療を牽引する方策を探るべく,シンポジウムが設定された。


深浦順一会長
 摂食・嚥下障害のリハビリテーション(以下,リハ)は,多くの専門職種がかかわり,チーム医療の代表例とも言える領域。STの主要な臨床業務の一つでもあり,チーム内で中心的役割を担うことが期待されている。シンポジウム「摂食・嚥下障害における言語聴覚士の専門性の追究」(座長=東北文化学園大・長谷川賢一氏)では,三人のSTにより,急性期・回復期・維持期の各期の特性を踏まえた摂食・嚥下リハの在り方が議論された。

STが中心的役割を担う,摂食・嚥下領域のチーム医療

 急性期の摂食・嚥下リハについて口演したのは,慶大病院の羽飼富士男氏。同院では,ほぼ全診療科から言語聴覚療法部門へ摂食・嚥下リハの依頼があり,全件数の約7割に上るという。氏は急性期においては,摂食・嚥下機能を早期に正しく評価したうえで,適切な栄養管理を行い,誤嚥性肺

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