医学界新聞

2012.06.25

協同学習で,現場で活躍できる看護師を育てる
久留米大学・安永悟氏の授業づくりに学ぶ


  「現場で活躍できる看護師になってほしい」。これはすべての看護教員が持つ願いのはずだ。では,どんな授業を行えば,その願いどおりの看護師を育てることができるのだろうか。このほど刊行された『活動性を高める授業づくり――協同学習のすすめ』(医学書院)では,協同学習の理論や技法が紹介され,学生たちに効果的な学びを与える授業づくりのヒントが示されている。本書の著者であり,久留米大学文学部で教鞭をとる安永悟氏の講義を取材した。


 「久留米大学文学部の教育理念を見て,本学が育てたい理想像を読み取り,自分の言葉で言い換えてみてください」。そう課題を投げかけると,安永氏は学生たちに考える時間を与えた。

仲間と共に学び合う授業づくり

 この日に取材したのは,安永氏が担当する『教育心理学』の講義。第2講目となる今回は,本科目のガイダンスともいえる授業内容だが,早くも「協同学習」に基づいて展開されている。

 氏の授業でまず特徴的なのは,約70人のクラスを,3-4人ずつのグループに分けている点だ。グループの編成は同じ学年・学科・性別などで偏らないように調整され,履修期間中,必要に応じてグループの再編を1-2回実施。講義中,さまざまなタイミングで,このグループによる対話の機会が設けられる。これらはすべて協同学習に基づいた授業づくりの一環だ。

 氏は,協同学習を「小グループの教育的使用であり,学生が自分自身の学びと学習仲間の学びを最大化するために共に学び合う学習法」と定義付ける。協同学習に基づく授業を展開する中で,学生一人ひとりが,仲間と共に主体的かつ積極的に学習へ取り組むことが可能になるという。

写真 左:「協同学習は

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