第10回看護教員「実力養成」講座開催
2011.11.21
第10回看護教員「実力養成」講座開催
徳田安春氏 |
◆バイタルサインの重要性を再確認
第1部「バイタルサインの重要性」で,徳田氏はまず「“バイタルサイン”は看護学から派生した用語」と紹介した。リアルタイムの臨床データであるバイタルサインは,急変を早期発見できる最も有用なツール。急変の早期発見はアウトカムの改善につながるため,看護師が正確に測定し,チーム医療に生かしてほしいと説いた。
現在バイタルサインとして測定されるのは,脈拍,呼吸,体温,血圧(動脈血),静脈血,意識,尿量,SpO2。氏はそれぞれの特徴を解説し,バイタルサインには基準値が示されているが,個人差があるため,患者のベースラインの値を知っておくことの重要性を強調した。特に重篤な病変のサインとして挙げたのは,バイタルの逆転(脈拍数が収縮期血圧を超えること)と呼吸数の急激な増加。前者はショックを示唆するため,顔面蒼白,冷感,冷汗,気分不良,意識障害などショックに伴う症候に注意を促した。また後者では,循環不全や敗血症などの危険性があると述べた。
第2部「日常ケアの中でのバイタルサインのここを見る!」では,看護教育用シミュレータ・実習モデルを用いながら,学生に教授する際のポイントを解説。血圧を測定する際のコロトコフ音の聴き方について心音を流しながら説明する場面では,心音に耳をすませながら聴診のコツをメモする姿が会場各所で見られた。さらに第3部「急変時はバイタルサインのここを見る!」では,実際の症例を提示しながら,注目すべきバイタルサインと見逃してはいけないポイントを詳解した。
徳田氏が示す,バイタルサインについてマスターしてほしい4つのポイント
シミュレータを用いてコツを伝授 |
・測定値が何を表しているかを理解する(患者の状態をきちんと把握する)
・測定値の変化を見逃さない(急変に早期に気付く→患者の予後を改善させる)
・測定値をアセスメントし,ケアにつなげる(バイタルサインは測定値を評価しケアにつなげることではじめて患者のためになる)
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