医学界新聞

2011.11.21

第10回看護教員「実力養成」講座開催


徳田安春氏
 第10回看護教員「実力養成」講座(主催=医学書院)が,10月8日(大阪市・オーバルホール),22日(東京都千代田区・全社協灘尾ホール)の両日,開催された。第10回の節目となる今回は,講師に徳田安春氏(筑波大病院水戸地域医療教育センター)を迎え,「アセスメント力を高める!――バイタルサインの教え方」をテーマに3時間半にわたる講演が行われた。人気指導医としても知られる徳田氏は現在,水戸協同病院において,月に1度,医学生を対象とした救急外来での1日実習を行っている。「闘魂外来」と名付けられたこの実習は,氏から直接バイタルサインの病態生理学的解釈を学べると,全国から参加者を集め,現在数か月先まで予約が埋まっている状況だという。本紙では,22日の講座の模様を報告する。

◆バイタルサインの重要性を再確認
 第1部「バイタルサインの重要性」で,徳田氏はまず「“バイタルサイン”は看護学から派生した用語」と紹介した。リアルタイムの臨床データであるバイタルサインは,急変を早期発見できる最も有用なツール。急変の早期発見はアウトカムの改善につながるため,看護師が正確に測定し,チーム医療に生かしてほしいと説いた。

 現在バイタルサインとして測定されるのは,脈拍,呼吸,体温,血圧(動脈血),静脈血,意識,尿量,SpO2。氏はそれぞれの特徴を解説し,バイタルサインには基準値が示されているが,個人差があるため,患者のベースラインの値を知っておくことの重要性を強調した。特に重篤な病変のサインとして挙げたのは,バイタルの逆転(脈拍数が収縮期血圧を超えること)と呼吸数の急激な増加。前者はショックを示唆するため,顔面蒼白,冷感,冷汗,気分不良,意識障害などショックに伴う症候に注意を促した。また後者では,循環不全や敗血症などの危険性があると述べた。

 第2部「日常ケアの中でのバイタルサインのここを見る!」では,看護教育用シミュレータ・実習モデルを用いながら,学生に教授する際のポイントを解説。血圧を測定する際のコロトコフ音の聴き方について心音を流しながら説明する場面では,心音に耳をすませながら聴診のコツをメモする姿が会場各所で見られた。さらに第3部「急変時はバイタルサインのここを見る!」では,実際の症例を提示しながら,注目すべきバイタルサインと見逃してはいけないポイントを詳解した。


 徳田氏が示す,バイタルサインについてマスターしてほしい4つのポイント

シミュレータを用いてコツを伝授
正しく測定できる(患者にあった測定方法,適切な測定タイミングを理解する)
測定値が何を表しているかを理解する(患者の状態をきちんと把握する)
測定値の変化を見逃さない(急変に早期に気付く→患者の予後を改善させる)
測定値をアセスメントし,ケアにつなげる(バイタルサインは測定値を評価しケアにつなげることではじめて患者のためになる)