医学界新聞

2011.06.20

日々の悩み,疑問を共有し,解決の鍵を探る

「がんのリハビリテーション研修ワークショップ」開催


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講義の模様
 平成23年度厚労省委託事業「がんのリハビリテーション研修ワークショップ――QOLの向上を目指して」が5月21-22日,国立看護大学校(東京都清瀬市)にて開催された。本ワークショップの受講は,がんリハ料算定のための施設基準要件となっており,各施設から4人(医師1人,看護師1人,理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のうち2人)がチームとして参加することが定められている。当日は地域がん診療連携拠点病院48施設から192人が参加した。

 ワークショップではまず,2日間の研修のなかでがんリハが抱える問題の解決の糸口を見いだしてほしいと,がんリハの問題点を抽出・整理するためのKJ法を用いたグループワークが行われた。KJ法では,患者,家族,個々の医療者,医療機関,地域など多岐にわたるがんリハの問題を個々人がカードに記入。そうして集まったカードを分類してグループ名を付け,それらの関係性を図式化する。グループワークを通して個々人の医療に対する考え方が自然と浮き彫りになり,がんリハの在り方について議論する姿が会場のあちこちで見られた。

 また実演を交えた講義では,講師らがADL・IADL障害,歩行障害,摂食・嚥下障害,コミュニケーション障害におけるリハを紹介。食事(形態,食べるときの姿勢)や整容,更衣動作など患者の生活に根差した工夫や,リハの施行により症状が軽減された患者の映像が提示されるなど,自施設でもすぐに取り組める内容となっており,参加者らは熱心にメモをとっていた。ワークショップではこのほか,対応に苦慮する患者についての症例検討を通してチーム医療の質向上を図るなど,多様なプログラムが組まれ,充実した2日間となった。

左:KJ法によるグループワーク。
中央:図式化された「がんリハの問題点」。
右:濃度の異なる増粘剤を飲み,舌がんや喉頭がん,食道がんの患者の嚥下の状態を体感。誤嚥をどのように防ぐか,具体的な方法が提示された。

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