医学界新聞

2011.02.14

第45回日本成人病(生活習慣病)学会開催


 第45回日本成人病(生活習慣病)学会が1月15-16日,名川弘一会長(東大)のもと,都市センターホテル(東京都千代田区)にて開催された。シンポジウム「『生活習慣病時代』におけるがんの予防と治療」(座長=昭和大・熊谷一秀氏,慈恵医大・田尻久雄氏)では,今や重要な課題の一つであるがん対策について,幅広い議論が行われた。

 古野純典氏(九大)は,福岡県で行われたがん研究などを基に,生活習慣が発がんに与える影響を考察。患者が理解しやすく,発がん予防効果が高い項目として,(1)禁煙,(2)飲酒は日本酒換算で1日1合以内,(3)運動の継続,(4)体重管理(BMI 20-25が目標),(5)野菜・果物を1日400 g以上食べること,を挙げた。

 室圭氏(愛知県がんセンター中央病院)は,分子標的治療薬を中心に薬物療法の現状を概説。トラスツズマブなどを例に,作用機序の特殊性や治療効果の高さなど,分子標的薬のメリットを語った。一方,バイオマーカーの発現頻度や毒性の影響には人種間格差があり,きめ細かな対応が必要であることなどを挙げ,注意を喚起した。

 比企直樹氏(癌研有明病院)は,肥満傾向の症例を通して胃がん手術を再考。肥満患者は術後の長期予後が良い傾向が高いことから,術前の栄養管理の重要性を主張した。さらに...

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