医学界新聞

2010.08.02

第23回日本脳死・脳蘇生学会開催


シンポジウムのもよう
 第23回日本脳死・脳蘇生学会が6月19日,東京医科大学病院(東京都新宿区)にて行岡哲男会長(東医大病院)のもと,「脳蘇生――その新たなる挑戦」をテーマに開催された。本紙では,シンポジウム「脳蘇生,限界への挑戦とその後の今」(司会=東医大・太田祥一氏)のもようをお伝えする。

日本発のエビデンス構築をめざして
 シンポジウムの前半では,蘇生に関する多施設共同研究の最新情報について,3氏が報告。蘇生後の意識障害の治療法として脳低温療法の有効性が報告されるなか,武田吉正氏(岡山大)らは,従来行われてきた全身冷却よりも早期に脳温を低下できると考えられる蘇生時咽頭冷却の多施設臨床研究を行っている。来院120分後の鼓膜温がコントロール群に比べ1.3℃有意に下がったこと,蘇生後の重篤な合併症が咽頭冷却群で少ない傾向にあったことなど,これまでの研究結果を提示した。

 坂本哲也氏(帝京大)は,SAVE-J(心肺停止患者に対する心肺補助装置等を用いた高度救命処置の効果と費用に関する多施設共同研究)について紹介。SAVE-Jは来院時心肺停止症例に対して,経皮的心肺補助装置(PCPS)を利用した心肺蘇生がアウトカムを改善することを,前向き比較対照観察研究にて検討するために始まったがPCPSが通常の心肺蘇生より予後を改善する可能性が...

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