医学界新聞

2010.07.19

第16回日本看護診断学会開催


 第16回日本看護診断学会が,6月5-6日,黒江ゆり子大会長(岐阜県立看護大)のもと神戸国際展示場(神戸市)で開催され,全国から約1500名が参加した。今大会は,「看護診断と研究・教育・実践――あなたの求めるものをかたちにして」をテーマに,看護診断ラベルや診断指標をめぐる議論だけにとどまらず,テーマに沿った招聘講演やワークショップなどが開かれ,研究・教育・実践につながる議論が展開された。


看護診断のベースは看護そのもの

シンポジウムのもよう
 大会長講演「クロニックイルネスにおける看護診断と実践・教育・研究」で黒江氏は,慢性期の患者は孤立感や喪失感,自尊感情の低減などを抱えているため,疾患を抱えながら生きる方策を発見することが必要と指摘。そのサポートをするのが看護職であり,そのためには,的確に診断し,その診断を基盤にした実践を行い,実践を積み重ねながらケアの質を継続的に改善しなければならないことを強調した。座長の山勢博彰氏(山口大大学院)も,急性期も慢性期も生活者としての患者の援助ニーズに対応するという点では共通であり,それは看護診断のベースでもあると発言。看護診断の基盤が看護そのものであることが強調された。

これからの診断ラベル開発とアセスメントに向けて

 招聘講演の演者は,ロードアイランド大名誉教授のHesook Suzie Kim氏。1日目の「看護診断と概念開発:哲学的および方法論的考察」では,NANDA-Iの看護診断開発に関する課題や...

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