医学界新聞

2010.03.15

第25回日本環境感染学会開催


 第25回日本環境感染学会が2月5-6日,小野寺昭一会長(慈恵医大)のもとグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)にて開催された。25回目の節目を迎えた今回はテーマを「感染制御 さらなる発展に向けて」とし,社会全体を含めいかに感染症を未然に防ぐかが積極的に議論された。本紙では,新型インフルエンザについて考察したシンポジウムのもようを報告する。


シンポジウムのもよう
 昨年から続く新型インフルエンザによるパンデミックでは,流行当初の検疫強化やワクチンをめぐる騒動など,その対応が大きな議論を巻き起こした。シンポジウム「新型インフルエンザへの対応」(司会=東北大・賀来満夫氏,防衛医大・川名明彦氏)では,今回の対応を振り返るとともに今後のパンデミック対策について,4人の演者が報告した。

 まず,インフルエンザの感染経路についての考察を西村秀一氏(国立病院機構仙台医療センター)と森兼啓太氏(山形大)が報告。一般にインフルエンザの感染経路には,接触感染,飛沫感染,空気感染の三つがあると言われるが,実はそのエビデンスは乏しいという。西村氏は,これまでに発表されている文献や咳の中に含まれるウイルス量測定などの自身の研究から感染経路について検討。多くのウイルス...

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