MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内
2010.03.01
MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内
NPO法人 マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 編
《評 者》石田 隆行(広島国際大教授・医用画像工学)
国際水準の品質管理を実践できるマニュアル
乳癌の撲滅,検診の早期受診を啓蒙・推進することを目的とする世界規模キャンペーンのピンクリボン運動は年を追うごとに活発化し,広く国民に知られるところとなった。それに伴い,マンモグラフィ検診の受診率も年々増加している。このことは,全国各地で行われているマンモグラフィの品質管理の重要性を高めている。また,近年になってマンモグラフィのデジタル化が急速に進んだことから,これまでのアナログマンモグラフィの品質管理の方法を見直したデジタルマンモグラフィの品質管理マニュアルの必要性が高まった。
わが国で,この必要性にいち早く応えたのが,日本でマンモグラフィ検診の精度管理の核となって活動を続けているNPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(精中委)である。精中委が編集した本書は,International Electrotechnical Commission(IEC)がまとめた国際標準の精度管理法や欧米の精度管理のガイドライン,日本画像医療システム工業会の表示モニタの品質管理ガイドラインなど,世界中で採用されている国際的な精度管理の方法を参考にしながらまとめられており,国際水準の品質管理法が一読しただけで実践できるようにまとめられた優れた書籍といえる。
本書は,「受入試験」「定期的な管理」「日常的な管理」の3章に分けられている。それぞれの章について,必要な項目の測定方法と判定基準とが,わかりやすい写真や図とともに簡潔に述べられており,実際に品質管理を行う上で非常に役立つ構成となっている。
個々の品質管理法を読んでいくと,簡易的でありながら理にかなった方法が採用されていることがよくわかる。これは,デジタルマンモグラフィについて深い知識と経験を持つ,開発・臨床現場の専門家たちが積み重ねてきた研究や実践の中から生まれた極めて実用的な方法であることの証であろう。
本書の方法に従って品質管理されたデジタルマンモグラフィを持つ施設で検診をすることによって,国際水準の質を持つデジタルマンモグラムが得られ,診断精度も高い水準で保たれることは間違いないと考えられる。したがって,本書は,乳癌の早期発見・早期治療のために国民が安心して検査できる環境を広げるのに役立つ有用な書籍であり,デジタルマンモグラフィを設置する施設必携の一冊であるといえる。
A4・頁100 定価2,940...
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