第7回「看護基礎教育の充実に関する検討会」より
カリキュラム改正(案)提出される
2007.02.26
【座談会】
基礎教育と臨床のギャップを埋めるカリキュラム改正(案)提出される
第7回「看護基礎教育の充実に関する検討会」より
さる2月5日,厚労省において第7回「看護基礎教育の充実に関する検討会」が行われ,看護師,保健師,助産師それぞれ3つのワーキンググループからカリキュラム改正(案)が提出された。ワーキンググループは同検討会が設置したもので,(1)現行の教育内容の整理と求めるレベルの検討,(2)到達目標の検討,(3)実習の方法等の検討,(4)現行制度下で行うべきカリキュラムの改正(案)作成,(5)現行の教育年限で教育できる範囲の単位数(および時間数)に収まらないものを整理,の5点が委任されていた。
統合科目(仮称)が新規追加
看護師教育のワーキンググループ(グループリーダー:神奈川県立保健福祉大・小山眞理子氏)が提出したのは,2つのカリキュラム改正(案)であり,その概要は以下の通り。(1)基礎分野,専門基礎分野,専門分野の3分野から,新たな分野である「統合分野」を含む4ないし5分野に変更(案1は5分野,案2は4分野であり,分野の区分以外は2案とも共通)。
(2)「統合分野」には在宅看護論とともに「統合科目(仮称)」が学科・実習を合わせて7単位加えられ,全体の単位数は93から100に増加。
(3)統合分野は,基礎,専門基礎,専門などにおける学習内容を統合的に学ぶ目的で設置。また統合科目には看護管理,医療安全,災害看護,看護技術評価を含むとされた。
(4)演習,実習の強化を強調。また,臨床での実情に鑑み,チーム医療の一員としての役割を学ぶ実習内容とすることなどを明記。
(5)カリキュラム改正と並行して,実習環境の整備,卒後研修制度の早期実現を検討することを付記。
一方,保健師,助産師のワーキンググループからも,実習を充実させることなどを主眼としたカリキュラム改正(案)が提出されたほか,現行の制度下では実現できないが「履修のために望ましい単位数」として,現行カリキュラムの倍程度の単位数を主張した。
ワーキンググループの報告を受けた委員からは,「4ないし5分野を段階的に積み上げていく改正案は,教育現場にとって現実的なのか」「検討会当初の主題であった年限延長論を付記したほうがよい」「現場対応を考慮して,新カリキュラムの施行は平成21年度からとすべきではないか」といった意見が出された。
この日提出されたカリキュラム改正案は,次回2月26日に予定されている検討会においてさらに審議され,3月中には結審の見通し。個々の改正案に対する意見が多数出たほか,改正案では看護師,保健師,助産師すべてにおいて単位数や実習時間数が増加するため,指定規則内容はもちろんのこと,教育・実習環境の整備についての議論が今後求められることになりそうだ。
(カリキュラム改正の動向については,弊社刊『看護教育』誌4月号で詳報予定)
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