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総合リハビリテーション Vol.54 No.4
2026年 04月号
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- EOI : essences of the issue
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EOI : essences of the issue
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特集 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の三位一体
2023年の「骨太の方針」において〈リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の連携推進〉が明示され,2024年度診療報酬改定では連携体制加算など具体的な制度設計が導入された.背景には,低栄養,サルコペニア,口腔機能低下が互いに増悪因子として作用し,日常生活動作低下,在院日数延長,再入院率や死亡率の上昇に関与するという知見の蓄積がある.本特集は,三位一体を「同時に行う介入」ではなく「相互作用を前提に設計された統合的マネジメント」と位置づけ,急性期から生活期までの実践,職種別の専門性,制度的枠組み,今後の課題を立体的に提示する.
1.リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の三位一体:総論 藤原 大 氏
本稿は三位一体の理論的基盤を整理し,入院関連機能障害(hospitalization-associated-deconditioning:HAD)や負の連鎖モデルを軸に,身体不活動・低栄養・口腔機能低下が形成する悪循環を構造的に示している.さらに,リハビリテーション栄養口腔ケアプロセス(rehabilitation nutrition oral care process:RNOCP)の枠組みを提示し,評価・診断・目標設定の段階から多職種が協働する設計思想を明確化している.三領域を「並列」ではなく「統合プロセス」として再定義した総論である.
2.急性期における三位一体の取り組み 川瀨文哉 氏
急性期では,入院早期の機能低下予防が最重要課題である.本稿は,診療報酬改定で新設された連携体制加算の具体的要件を詳細に整理し,48時間以内評価,定期的再評価,プロセス・アウトカム指標など実務面を具体的に解説する.制度上のハードルや実装上の課題にも言及しつつ,急性期における三位一体の臨床的意義と現実的運用のポイントを示している.
3.回復期における三位一体の取り組み 長野文彦 氏
回復期では,サルコペニア,低栄養,嚥下障害が機能回復速度を規定する.本稿は自施設の実践を踏まえ,栄養状態と日常生活動作(activities of daily living:ADL)回復,自宅退院率との関連を示すとともに,AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)2025改訂の意義を整理している.筋量・筋力・身体機能の評価変遷を踏まえ,回復期における統合的評価の重要性を強調している.
4.生活期における三位一体の取り組み──エビデンスの整理と介護保険施設での実践 小蔵要司 氏
生活期では,介護保険制度下での実装が鍵となる.本稿は一体的計画書の意義,多職種会議,科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence:LIFE)へのデータ登録など制度的背景を整理し,単独介入と複合介入のエビデンスを俯瞰している.現時点でのエビデンスの限界を率直に示しつつも,体重減少予防や機能維持の観点から同時介入の実践的妥当性を論じ,現場での運用指針を提示している.
5.三位一体におけるリハビリテーション職種の役割 井上達朗 氏
低栄養-障害サイクルの概念を基盤に,国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Health:ICF)を用いた全人的評価の重要性を提示している.リハビリテーション職種は身体機能のみならず活動・参加を見据えた目標設定を担い,栄養・口腔領域との情報統合を行うハブとして機能する.本稿は,運動療法を単独技術としてではなく,栄養基質と口腔機能を前提とした「設計された介入」として位置づけ直している.
6.三位一体における管理栄養士の役割 宇野千晴 氏
管理栄養士の法的定義と専門性を整理し,個別化栄養管理の継続性とマネジメント機能を強調している.栄養評価を起点に身体機能・口腔機能を横断的に把握し,目標設定とアウトカム指標を多職種で共有する役割を担う点を明確に示している.単なる栄養補給ではなく,生活機能全体を見据えた戦略設計者としての位置づけが重要である.
7.三位一体における歯科職種の役割 吉見佳那子 氏
オーラルフレイルおよび oral hypofunctionの概念を整理し,口腔衛生管理と口腔機能管理の両面から歯科職種の専門性を提示している.口腔内細菌叢と感染症,嚥下反射,全身予後との関連をエビデンスに基づき解説し,口腔が全身機能の基盤であることが示されている.口腔管理が三位一体の出発点となり得ることを示唆する論考である.
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特集 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の三位一体
今月のハイライト
リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の三位一体:総論
藤原 大
急性期における三位一体の取り組み
川瀨 文哉
回復期における三位一体の取り組み
長野 文彦
生活期における三位一体の取り組み──エビデンスの整理と介護保険施設での実践
小蔵 要司
三位一体におけるリハビリテーション職種の役割
井上 達朗
三位一体における管理栄養士の役割
宇野 千晴
三位一体における歯科職種の役割
吉見 佳那子
●巻頭言
リハビリテーション診療における標準訓練コードと新しい活動尺度の開発
三上 幸夫
●入門講座
人工呼吸器離脱のステップ③
人工呼吸器離脱に向けてのリハビリテーション治療──理学療法士の視点からみた評価と介入
木村 純子,他
認知症診療に役立つ全般的認知機能評価のコツ④
Alzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS)
小海 宏之
●実践講座
私はこうしている──ボツリヌス治療とリハビリテーション②
脊髄損傷──四肢麻痺・対麻痺
菊地 尚久
既製品の短下肢装具の選び方②
SPS(Short Posterior Strut)-AFO
平山 史朗
●研究と報告
回復期リハビリテーション病棟の入院患者における生活空間と性格の関連
齊藤 翔太,他
●症例報告
神経学的増悪を認めたウィルソン病患者に対するリハビリテーションの経過とその効果
山中 拓海,他
●患者会がつなぐ当事者の力①
高次脳機能障害の家族会
渡邉 修
●リハビリテーション専門職のワークライフバランス③
言語聴覚士
内山 量史,他
●ビッグデータ,リアルワールドデータの活用⑦
MRI画像のビッグデータとリハビリテーション医療への活用──構造・機能・代謝推定の多様な展開
内田 航,他
●学会印象記
第47回 総合リハビリテーション研究大会
土橋 喜人
●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
知里幸惠の『日記・書簡集』──障害受容的な心性
高橋 正雄
●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン」──過去の遺骨収集の暴力性に対峙する静謐な映像記録
二通 諭




