理学療法ジャーナル Vol.60 No.3
2026年 03月号

ISSN 0915-0552
定価 2,090円 (本体1,900円+税)

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特集 医療-介護連携──スローガンを実践へ拡げてつなぐ

 医療-介護連携は,「入院から在宅への円滑な移行」,「病院と在宅医療のシームレスな連携」など,範囲の広い重要な業務です.一方「医療-介護連携」のスローガンのもと,連携している臆断や課題,情報不足のすれ違い,情報集約システムの不整合や障壁などはないでしょうか.
 本特集では,多様な専門職チームメンバー間で生じる視点の違いや,医療・介護保険システムをまたいで行うやり取りの難しさなど,課題,希望を含め現場経験をもとにご執筆いただき,実践的な医療-介護連携のあり方を考えます.

医療-介護連携の継続と構築──地域のクリニックからみえる医療-介護連携 久武加奈
 日本の高齢化率は上昇しており,要介護高齢者に対し病院と地域での病診連携,地域間での連携それぞれが欠かせない.それぞれの連携における現状の課題として,病院と地域間でのケアにおける視点の違い,早期に退院する際の急な環境調整などが挙げられる.地域での連携では多職種で協働して生活を支えるうえで共通認識をもつことの困難さが挙げられる.連携における課題と対策について,筆者の私見を述べる.

地域医療を包括的に支援する地域基幹病院の役割──地域医療支援病院・在宅療養後方支援病院として 木佐貫 篤
 宮崎県立日南病院は人口減少が進む日南串間二次医療圏の地域医療支援病院・在宅療養後方支援病院として,紹介患者や救急患者の診療,在宅患者の登録などを通して地域医療を包括的に支援している.さらに地域向けや市民対象の研修会などにもかかわることで医療・介護の品質向上や相互理解交流に努めており,地域基幹病院としての役割を果たしている.

退院支援看護師の視点でみる医療-介護連携 北本広美
 入退院支援は,外来で入院が決まった段階から始まり,早期に退院に関する問題点を抽出することが重要である.問題点を解決するために院内の多職種と連携を図りカンファレンスを開催し,患者を中心にかかわる多職種が同じ方向に向かって退院支援を行うことで,スムーズな退院支援ができる.スムーズに地域へ支援していくには,地域との連携が必要である.多職種とともに地域へ訪問することによって,互いの顔が見える関係のなかで,互いを理解し合いながら支援していくことが重要である.

医療-介護連携の役立つ情報と連携への活用──ケアマネジャーの立場から 宮宅里佳
 超高齢社会において,入院から在宅生活へ移行する際の支援は重要性を増している.ケアマネジャーは生活全体を調整し,理学療法士は生活に直結した動作の改善を促すなど,両者の連携が本人の自立と生活再構築に不可欠である.入院・在宅間の環境差や情報不足などの課題に対し,退院前の情報共有,環境整備,実生活を踏まえた助言が効果を発揮する.本人の望む暮らしを中心に多職種が協働することで,安心して暮らし続けられる地域支援が実現する.

摂食嚥下機能と認知症の人に対する医療-介護連携──歯科医師の立場から 枝広あや子
 認知症の人の医療-介護連携における経口摂取や誤嚥性肺炎の課題の解決には,口腔機能・摂食嚥下機能と姿勢維持について理学療法士と歯科の共同が必須である.本稿では,地域包括ケアシステムにおける多職種連携の仕組み(マクロ)と,認知症の人一人ひとりに対する具体的な協働の場(ミクロ)について提示した.地域の連携の場を最大限に活用し,互いの専門性を尊重し合うことで,認知症高齢者の「食べる喜び」の維持に貢献する連携戦略を提言する.

医療を提供しながら在宅・生活に思いを馳せる理学療法士の役割──医療-介護連携を生活へつなぐ視点から 吉岡雄一
 本稿は,医療-介護連携を制度や仕組みとしてではなく,医療の場における理学療法士の専門的判断として捉え直すことを目的とした.国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Health:ICF)の枠組みを基盤に,医療評価を退院後の生活に根差して解釈し,次の支援につなぐ思考と実践の重要性を論じた.合わせて社会的処方の視点を,理学療法士の専門性を再定義する判断の枠組みとして位置づけ論じた.

医療から生活期リハビリテーションへの移行と循環──理学療法士の視点から 小山 樹
 急性期から生活期の移行には退院前カンファレンスなどを活用した関係づくりが重要である.生活期のリハビリテーションから急性期に適切な時期につなぐには,在宅にかかわる専門職との連携とともに,理学療法士の観察力,リスク管理能力,判断力が求められる.生活期から急性期への循環においては「予防」,「早期発見」という視点で捉え,急性期側は早期再介入により再び早期に生活期に戻すことが可能になると捉えることが重要である.

回復期リハビリテーションの現場で考える医療-介護連携──作業療法士の視点から 竹重雄太
 2024(令和6)年度介護報酬改定では,地域包括ケアの推進を目的に,医療と介護の連携がいっそう重視された.医療機関による退院支援においては,通所・訪問リハビリテーションが「退院時共同指導加算」の対象として新たに位置づけられた.これにより,介護サービスの関与が促進され,より切れ目のない支援体制の構築が期待されている.本稿では,回復期リハビリテーション病棟の役割とかすみケアグループにおける具体的な取り組みについて報告する.

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特集 医療-介護連携──スローガンを実践へ拡げてつなぐ

医療-介護連携の継続と構築──地域のクリニックからみえる医療-介護連携
久武加奈

地域医療を包括的に支援する地域基幹病院の役割──地域医療支援病院・在宅療養後方支援病院として
木佐貫 篤

退院支援看護師の視点でみる医療-介護連携
北本広美

医療-介護連携の役立つ情報と連携への活用──ケアマネジャーの立場から
宮宅里佳

摂食嚥下機能と認知症の人に対する医療-介護連携──歯科医師の立場から
枝広あや子

医療を提供しながら在宅・生活に思いを馳せる理学療法士の役割──医療-介護連携を生活へつなぐ視点から
吉岡雄一

医療から生活期リハビリテーションへの移行と循環──理学療法士の視点から
小山 樹

回復期リハビリテーションの現場で考える医療-介護連携──作業療法士の視点から
竹重雄太


■Close-up 在宅酸素療法で拓くQOL
在宅酸素療法利用者の社会生活と心理的適応
工藤有希

在宅酸素療法利用者の療養生活実態と地域支援資源の活用状況
阿部夏音

在宅酸素療法がQOLおよび各種臨床指標に与える影響
新貝和也,他


●とびら
どこに行った? 日本のリハビリテーション
木田康之

●運動器疾患に対する超音波画像評価とエコーガイド下運動療法──EBPTに活かす!⑪
慢性足関節不安定症に対する超音波画像評価
工藤慎太郎,他

●COVID-19パンデミック後の変革⑥
地域におけるアップデート 入所施設
藤堂恵美子

●臨床理学療法に活かす生理学③
脳の可塑性と神経再編成のための神経生理学
上原信太郎

●臨床実習サブノート 効果的かつ安全な起居動作へのアプローチ⑪
人工股関節全置換術後
二宮一成

●報告
経験年数の違いによる lumbar-locked rotation test の検者内・検者間
信頼性の検討
三宅秀俊

●私のターニングポイント
マイナスからの変化
白駒穂香

●学会印象記
第8回日本理学療法管理学会学術大会
桑村雄偉

第12回日本予防理学療法学会学術大会
小川寛人

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