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生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケア実践マニュアル

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『生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケアガイドライン』が発行されました。その重要性は分かったものの、どのように取り組めばよいか──その疑問に本書は応えます。リハビリテーション、栄養、口腔機能のみならず、食べる機能、認知機能、メンタルヘルス、処方薬、社会面などの評価・ゴール設定・介入・モニタリングをわかりやすく解説。要介護高齢者のケースに応じた実施計画書の例も掲載。

編集 若林 秀隆 / 前田 圭介 / 上島 順子 / 井上 達朗
発行 2024年07月判型:B5頁:208
ISBN 978-4-260-05625-0
定価 2,640円 (本体2,400円+税)

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はじめに

 本書の目的は,リハビリテーション・栄養・口腔管理の協働,三位一体での取り組みを,介護現場で推進することです。リハビリテーション・栄養・口腔管理はそれぞれ単独で取り組んでも,生活機能の改善や悪化防止に一定の効果があります。しかし,三位一体となって複合的に取り組めば,生活機能の改善や悪化防止の効果がより高くなると考えます。とはいえ,生活期の要介護者を対象としたリハビリテーション・栄養・口腔管理のガイドラインやマニュアルは,今までありませんでした。そこで本書は,リハビリテーション・栄養・口腔管理のケア実践マニュアルとして,介護現場で役立つ書籍として作成しました。
 本書の特徴は,科学的根拠を網羅した『生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケアガイドライン』〔「生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケアガイドラインおよびマニュアルの整備に資する研究」班 厚生労働科学研究費補助金(長寿科学政策研究事業)編集,医学書院,2024〕(以下,『ガイドライン』)をベースとして作成したことです。介護現場には実践知・経験知が多数存在しています。実践知・経験知は介護現場で役立つことが多く重要ですが,必ずしも科学的な知識とは限りません。そこで本書に先立ち,リハビリテーション・栄養・口腔管理に関するエビデンスを系統的レビューで網羅して,上記の『ガイドライン』を作成しました。この『ガイドライン』は,科学的な知識です。ただし,科学的な知識をまとめただけでは,介護現場で活用しにくいため,活用しやすいように本書を作成しました。
 リハビリテーション・栄養・口腔管理の三位一体は,「言うは易く行うは難し」です。実際,リハビリテーションと栄養,リハビリテーションと口腔管理,栄養と口腔管理の二位一体でさえ,適切に行われているとはいえません。これらのなかで最も取り組みやすい二位一体から始めることが現実的かもしれません。ただし,あるべき姿は三位一体です。また,食べる機能,認知機能,メンタルヘルス,処方薬,社会面も重要です。これらの評価,ゴール設定,介入,モニタリングに関しても,わかりやすく紹介しています。「行うは難し」でも行っていただきたいと思います。
 要介護高齢者の中には,リハビリテーション・栄養・口腔管理の三位一体で取り組むことで,生活機能の改善を期待できる方と期待できない方がいます。改善を期待できる方と期待できない方で,リハビリテーション・栄養・口腔管理の内容は当然違うはずです。しかし,改善を期待できる方と期待できない方で同じような取り組みがされていて,改善を期待できる方なのに改善されないままということがあります。このような事態をできるだけ防ぐためには,多職種でゴール設定することが最も重要です。ゴールを設定しないで介入することを避けるだけでも,生活機能の改善や悪化防止につながります。本書を多職種で読んで,介護現場で活用して,より多くの成果が出ることを期待しています。

 本書は,厚生労働科学研究費補助金(長寿科学政策研究事業)「生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケアガイドラインおよびマニュアルの整備に資する研究」(22GA1003)の助成を受けて作成しました。

 2024年5月
 編者を代表して 若林秀隆

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第1章 なぜリハビリテーション・栄養・口腔管理のケア実践マニュアルが必要か
  ①社会的背景
  ②要介護高齢者の特徴と介護サービス

第2章 リハビリテーション・栄養・口腔に係る実施計画書(令和6年度介護報酬改定)
  実施計画書の概要,変更点と記載のポイント

第3章 要介護高齢者に対する評価
  ①リハビリテーションに必要な評価
  ②栄養状態の評価
  ③口腔機能の評価
  ④食べる機能の評価
  ⑤認知機能の評価
  ⑥メンタルヘルスの評価
  ⑦処方薬の評価
  ⑧社会面の評価

第4章 KT バランスチャート
  KT バランスチャート

第5章 要介護高齢者に対するゴール設定・介入・モニタリング
  ①適切なゴール設定とは何か
  ②リハビリテーション介入とゴール設定・モニタリング項目
  ③栄養状態への介入とゴール設定・モニタリング項目
  ④口腔機能への介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑤食べる機能への介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑥認知機能への介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑦メンタルヘルスへの介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑧処方薬への介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑨社会面への介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑩リハビリテーション・栄養・口腔管理の複合的介入とゴール設定・モニタリング項目
  ⑪リハビリテーション栄養ケアプロセス

第6章 ケースでみる一体的ケアのための実施計画書
 〔在宅(住宅型有料老人ホーム)・通所〕
  ①体重減少で義歯不適合となり,身体機能や認知機能が低下してきたケース
 〔在宅・通所〕
  ②多疾患併存でポリファーマシーの独居高齢者のケース
 〔施設入所〕
  ③意思疎通が困難な脳血管障害による重度認知機能低下,左片麻痺による寝たきりのケース
 〔施設入所〕
  ④円背でADLや体重が低下傾向,むせることが多くなってきたケース

第7章 多職種での連携・実践のコツ
  ①多職種で行うメリット
  ②効果的な多職種介入の方法
  ③多職種での実践のコツ
  ④多職種カンファレンス実践例

索引

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