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- 総合リハビリテーション Vol.52 No.7
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今月のハイライト
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特集 脳卒中上肢機能の徹底改善
本誌51巻2号では「脳卒中下肢機能の徹底改善」の特集を組みました.20年ほど前までは,片麻痺上肢に対する訓練や支援は下肢のそれと比べると圧倒的に少なく,患者さんの期待や希望に十分応えられていなかったと思います.しかし,現在の治療は量的にも質的にも明らかに向上していると実感しています.
本特集においては,上肢機能改善のための最新の支援方法を具体的にご紹介いただくとともに,医療でのトレーニングが終了した後,日々の活動や社会参加を通して上肢の機能を維持向上させる試みについても触れていただきました.
リハビリテーション治療の選択基準 藤原俊之 氏
脳卒中上肢運動機能障害に対する治療を選択するに際して,どのように診断してそれぞれの治療の適応を判断していくかについて解説いただいた.著者の判断基準をわかりやすい図で示していただいた.まず本論文に目を通していただいたうえで,以下の各論を読んでいただくとより理解が深まると考える.治療法の選択に際してまず重要なのは,予後予測に基づくゴールの設定であるとの指摘はまさにその通りであり,やみくもに訓練すればいいというわけではない.
Constraint-induced movement therapy(CI療法) 竹林 崇 氏
著者は日本におけるCI療法の第一人者であり,CI療法の歴史,メカニズム,効果に関するエビデンス,併用療法などについてわかりやすく紹介いただいた.本来の治療プロトコルとは違う方法も多く出てきており,本当にCI療法なのか疑問なものもあるため注意が必要である.また,CI療法を含めた複合的なアプローチの有用性が報告されているが,生活における麻痺手の使用行動の変化という点でCI療法は非常に強みがあると述べている.
ロボットを用いた機能訓練 内山侑紀 氏ら
上肢に対するロボットを用いた訓練は,脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2023)においても推奨度B/エビデンスレベル高となっており,注目される治療法である.しかし,実際の臨床現場における普及は今のところ限定的である.現在本邦で使用されているロボットを紹介するとともに,その適応や実際の治療方法,課題について解説いただいた.また,ロボットだけで治療が完結するわけではなく,前述のCI療法と組み合わせていくなどの工夫が重要である.
神経筋電気刺激療法 川上途行 氏ら
本治療法は,電気刺激の機器そのものが比較的安価で使用しやすいこともあり,片麻痺上肢の肩関節亜脱臼や疼痛から,運動麻痺に対するものまで臨床場面で幅広く利用されている.ただし,刺激部位や刺激方法などはさまざまであり,若干混乱した状況にあると思われる.著者らが以前から取り組んでいるHANDS療法はエビデンスの明確な優れた治療法であり,全国的に普及している.さらなる研究や臨床経験の積み重ねにより,今後の発展が期待できる治療法である.
非侵襲的脳刺激療法 橘髙千陽 氏ら
非侵襲的脳刺激法の代表的なものとして,経頭蓋直流電気刺激と反復性経頭蓋磁気刺激があり,それぞれの作用機序や適応,刺激方法,臨床応用を解説していただいた.脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2023)では上肢機能障害に対して推奨度C/エビデンスレベル中となっており,保険適用にはなっていない.治療法として普及しているという段階にはないものの,最も効果的な刺激方法や時期,適応症例についてのさらなる研究を行い,最適なプロトコルを定めていく必要がある.
生活期の支援 藪崎さや子 氏ら
上肢の機能訓練を通して社会参加の拡大が図れた,また逆に活動の拡大に伴って上肢の機能が向上したといった具体的な事例を紹介いただいた.上肢機能は実際の生活場面でどれだけ使用できているかが最終的な成果である.急性期や回復期で十分な訓練を受けることはもちろん重要であるが,生活期においても介入できる余地があり,またむしろ生活期だからこそ支援できることがあることも念頭において,継続した支援を行いたい.
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医書.jpにて、収録内容の記事単位で購入することも可能です。
価格については医書.jpをご覧ください。
特集 脳卒中上肢機能の徹底改善
リハビリテーション治療の選択基準
藤原 俊之
Constraint-induced movement therapy(CI療法)
竹林 崇
ロボットを用いた機能訓練
内山 侑紀,他
神経筋電気刺激療法
川上 途行,他
非侵襲的脳刺激療法
橘髙 千陽,他
生活期の支援
藪崎 さや子,他
●巻頭言
がんリハビリテーションとの出会い
杉浦 英志
●入門講座
研究倫理は難しいと思っているあなたに読んでもらいたい 研究倫理の基礎知識③
倫理審査委員会
神里 彩子
●実践講座
高度肥満症患者のリハビリテーション治療①
高度肥満症者に対する運動と指導
大沢 愛子,他
●研究と報告
腰椎変性疾患術後患者の転倒と身体機能の関連
草野 美優,他
●短報
ハンドヘルドダイナモメーターと頸部アタッチメントを用いた頸部筋力計測方法の開発
關口 相和子,他
●認知症者・家族をさまざまな観点や立場から支えるコミュニケーションスキル⑪
認知症の人に対する作業療法の実践──コミュニケーションを中心に
村井 千賀
●リハビリテーション診療に役立つ関節MRIの診かた④
股関節のMRI
平尾 昌之
●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』──ゾシマ長老の兄の心的外傷後成長
高橋 正雄
●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「おしゃべりな写真館」──だれもが安心して生きていける地域を形象化する
二通 諭
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