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- EOI : essences of the issue
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EOI : essences of the issue
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特集 全身持久力トレーニング
企画:横山茂樹
2023年に策定された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」(厚生労働省)では,成人のみでなく高齢者や子どもから慢性疾患を有する者まで,健康づくりのための身体活動・運動が推奨されている.このなかでは運動強度や時間などの条件は明示されているものの,「全身持久力トレーニング」をいかに安全かつ効果的に実践するのかは重要な課題である.
本特集では,多様性のある幅広い対象者を想定して「全身持久力トレーニング」を処方するにあたり,運動負荷やトレーニング方法,リスク管理について具体的に紹介していただいた.
運動器疾患患者に対する全身持久力トレーニング 鬼塚勝哉,他
運動器疾患の代表的疾患である変形性膝関節症患者の疾患特性から全身持久力トレーニングである有酸素運動に期待できる効果に関してまとめた.また,研究報告を参考に固定式自転車運動を中心に具体的な運動負荷の設定やその効果を筆者らの臨床実践の経験を交えてレビューした.最後に長期的な運動継続を促進するために運動プログラムを遂行するうえで推奨される事項をまとめた.
中枢神経疾患患者に対する全身持久力トレーニング 小宅一彰
中枢神経疾患の代表的疾患である脳卒中片麻痺患者の多くは,同性・同年代の健常者に比べて全身持久力が低下した状態にある.生活機能の維持・改善および重症化予防のために,全身持久力に対する理学療法はきわめて重要である.本稿では,脳卒中片麻痺患者における全身持久力の評価方法,全身持久力低下の病態,そして全身持久力トレーニングの方法について,筆者らの研究成果も交えて解説する.
呼吸器疾患患者に対する全身持久力トレーニング 古川 大
呼吸リハビリテーションにおいて運動療法は中軸をなすものであり,その種目の一つとして全身持久力トレーニングがある.慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)に対する全身持久力トレーニングは高い根拠をもって有効性が認められており,すべての重症度において適応となる.本稿では,評価方法について実施の簡便さと汎用性に利があるフィールド歩行試験について解説する.FITTに基づいたトレーニング方法およびそのリスク管理についても紹介する.
心筋梗塞後患者に対する有酸素運動 柳 英利
日本では年間約7万人が急性心筋梗塞を発症し,急性期治療後も約50%が1年以内に複合イベントを経験するため,予後改善を目的とした有酸素運動が有効である.有酸素運動を行うにあたっては,最初にリスク評価と歩行負荷テストが必要である.有酸素運動開始前に,運動負荷試験または心肺運動負荷試験で虚血閾値の評価が推奨される.有酸素運動はFITT-VP原則に基づいて実施し,運動前・中・後の評価が重要である.効果判定は心肺運動負荷試験が最も客観的である.
糖尿病患者に対する全身持久力トレーニング 森 優太
糖尿病は持続した高度な高血糖状態が特徴であり,糖尿病神経障害などの慢性合併症が問題となる.2型糖尿病のある人において全身持久力トレーニングによって血糖値改善が期待されるが,これは複数のメカニズムによる.また,限られた施設環境下では,評価や介入の臨床場面で難渋することがしばしばある.本稿では2型糖尿病のある人における全身持久力トレーニングの目的・意義・具体的な方法を実例を交えて解説する.
透析患者に対する全身持久力トレーニング 臼井直人,他
透析患者では,腎不全に起因した尿毒症や潜在的な心不全,protein-energy wasting(栄養障害)などの併存症を有することが多く,全身持久力は早期から低下を示す.したがって,早期より長期的な全身持久力トレーニングの実施・指導を必要とするハイリスク集団である.効果的なトレーニングの実施には,腎不全に伴う症状の把握や運動実施のタイミング(透析中,透析前・後)に配慮した運動処方が重要となる.
骨粗鬆症患者に対する全身持久力トレーニング 松本浩実
全身持久力トレーニングは骨粗鬆症予防において重要な運動方法の一つである.一方で,すでに脆弱性骨折を生じた患者では運動によって二次性骨折を起こさぬようリスク管理を行いながらの運動処方が必要となる.骨折・転倒リスク評価に基づき対象者の骨折リスクを判別し,低リスク者にはインターバルウォーキングなどの有酸素運動を中程度以上の負荷で,高リスク者には座位で行うことのできる全身運動などを低負荷・高頻度で実施する.
若年者(児童)に対する全身持久力トレーニング 鈴木 誠
近年の若年者(児童)の全身持久力は,2019(令和元)年度で急激に低下をし,徐々に回復傾向にはあるものの,以前の水準にはまだ至っていない.そこで,全身持久力を高めていく方法の一つとして,学校教育下での身体活動時間の創出による運動習慣の日常化が挙げられる.そのなかで,友人同士や異学年との交流などによる「楽しみ,励まし合いながら参加できる運動」の機会の設定が,特に低体力児童の全身持久力向上のきっかけになると言える.
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特集 全身持久力トレーニング
エディトリアル 全身持久力トレーニングとは何か
横山茂樹
運動器疾患患者に対する全身持久力トレーニング
鬼塚勝哉,他
中枢神経疾患患者に対する全身持久力トレーニング
小宅一彰
呼吸器疾患患者に対する全身持久力トレーニング
古川 大
心筋梗塞後患者に対する有酸素運動
柳 英利
糖尿病患者に対する全身持久力トレーニング
森 優太
透析患者に対する全身持久力トレーニング
臼井直人,他
骨粗鬆症患者に対する全身持久力トレーニング
松本浩実
若年者(児童)に対する全身持久力トレーニング
鈴木 誠
■Close-up 精神疾患における運動の意義を考える
運動が精神疾患患者に与える影響と効果
中村恭子
精神疾患患者への運動指導と理学療法士の役割
細井 匠
●とびら
ケセラセラな生き方
鮫島一雄
●視覚ベースの動作分析・評価 4
歩行──人工股関節全置換術後に変形性膝関節症を呈した患者の歩行時の膝関節痛
髙田雄一
●運動療法に活かすための神経生理(学) 2
静的ストレッチングは伸張時間により柔軟性および筋出力に及ぼす影響に差異はあるか?
谷澤 真
●今月の深めたい理学療法周辺用語 8
放課後等デイサービス
稲葉政徳
●理学療法士のための「money」講座 8
やってみたい,ふるさと納税
細川智也
●臨床実習サブノート
「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか 5
回復期脳卒中患者に対する関節可動域運動
大田瑞穂
●原著
理学療法士が経験する患者やその家族・同僚・関連職者の感情から受けるストレス──語りをベースにした質的事例研究
喜多一馬,他
●症例報告
化膿性脊椎炎による慢性疼痛にて低活動が続いた不全対麻痺患者における理学療法プログラム修正後の活力と日常生活活動の改善:4年間追跡症例報告
長谷川大輝,他
●ひろば
臨床実習指導者から臨床実習教育者への変換期
奈良 勲
●私のターニングポイント
点と点が線になるように導かれ…… ──意味は後からついてくる
成田 研
●My Current Favorite
DXの推進を通じて思うこと
石田水里
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