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医学書院 Column

先生の「推し」本、教えてください!(下畑 享良)
- 医学
2026.06.01
『神経症状の診かた・考えかた 第3版』(▶『医学書院のレジデントBOOKカタログ2026』 p.51)は、脳神経内科を本気で学びたいレジデントの方々に強くお薦めしたい一冊です。私は初版の頃から繰り返し読み続けてきましたが、読むたびに診療の視野が広がり、自分の診かた・考えかたが磨かれていくのを実感してきました。病歴聴取と神経診察の実例を通してエキスパートの思考過程を追体験できるため、「傍らに上級医がいるような感覚」で読める本です。
第I編では日常診療でよく遭遇する症状、第II編では緊急処置を要する病態、第III編では神経診察の手技や画像診断のピットフォールが取り上げられており、いずれも実例に基づいて丁寧に解説されています。かつて著者の福武先生に「どうしたらこれほど豊富な症例をまとめられるのですか?」とお尋ねした際、「一日の終わりに患者さんを思い出し、ノートに書いて勉強しているのだよ」とお答えいただき、長年の不断の努力に深い感銘を受け、大きな刺激をいただきました。
第3版では、序章として「臨床力とは何か?」が追加され、単なる知識量ではなく、好奇心、観察力、幅広い注意力、そして型にはまらない推理力の重要性が強調されています。ガイドラインに当てはめるだけでは患者さんを正しく理解することはできず、「臨床力」とは知識の運用を支える情熱と気概であるというメッセージは、これからの脳神経内科医にとって大きな指針になると感じています。ぜひ手に取り、繰り返し読んでいただきたい一冊です。
下畑 享良(しもはた・たかよし)氏 岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 教授
1992年新潟大医学部卒業後,94年同大脳研究所神経内科に入局。2001年同大大学院医学研究科博士課程修了。米スタンフォード大客員講師,新潟大脳研究所神経内科准教授などを経て,17年より現職。著書に『下畑享良 神経症候学note』(医学書院)
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