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2026.06.01

皮膚科医として外来に立つ私ですが、『「卓越したジェネラリスト診療」入門』(『医学書院のBOOKカタログ2026』 p.34)はジェネラリストのみならず、あらゆる専門医、そしてこれから外来を担う研修医にこそ読んでほしい一冊です。いわば「外来診療のOS」をアップデートしてくれる内容が詰まっています。

 これから外来の現場に出る研修医の皆さんは、各科で学んだ知識や手技だけでは解決できない問題に必ず出会います。そこで必要になるのが“アート”です。「医学はサイエンスであり、かつアートである」とよく言われますが、そのアートは精神論として語られることが多く、「誠心誠意向き合えばうまくいく」と片付けられがちです。しかし、現場はそう単純ではありません。本書が優れているのは、このアートを具体的に言語化している点です。医療において重要なのは、いかにして「安心」を提供できるかであり、医学的に正しい診断がついても、患者の満足度は必ずしも高まりません。そこで患者が抱く「不安」や「期待」を診療にどう組み込むかが鍵になります。本書はその方法を実践的に示してくれます。

 さらに家族療法や社会的処方といった社会的基盤へのアプローチ、医師自身のバーンアウト対策まで、ジェネラリストの幅広い視点が丁寧に描かれています。

 専門を問わず、外来で患者と向き合う全ての医療者に役立つ内容です。日々の外来診療に迷いを感じる研修医には特に強く薦めたい一冊だと思います。

あさひ皮膚科クリニック 院長

2007年久留米大卒。同大病院にて初期研修後,同大医学部皮膚科学教室に入局。15年同大大学院医学系研究科博士課程修了。15年より公立八女総合病院や大牟田市立病院などで医長を務め,地域医療に従事。著書に『誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた』(医学書院)。
X : @alex_hifuka