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第3362号 2020年3月9日


Dr. セザキングの
USMLEセミナー

本邦随一,いや唯一の「USMLEコンサルタント」,Dr.セザキングがUSMLEの極意をピンポイント解説!

[第1回]STEP1・2 CK―いかに素早くMCQを解き進めるか?(前編)

瀬嵜 智之(USMLEコンサルタント)


 ハイ,ナイストゥーミーチュー! Dr.セザキングこと瀬嵜智之と申します。僕は医師として働きながらアメリカの医師国家試験(USMLE)のコンサルタントとしても活動をしています。この連載では3回に分けてUSMLEのピンポイント対策をお伝えします。

 まずは簡単にUSMLEのご説明を。USMLEは,STEP1(基礎医学)2 CK(臨床医学)2 CS(臨床技能)3(最終試験)の3段階・4種類の試験で構成されています。日本で言うと,STEP1はCBT2 CKは医師国家試験のような内容と考えていただければイメージしやすいでしょう。STEP2 CSはOSCEのモデルとも言われる試験ですが,OSCEと比較しはるかに難易度が高く,また英語力も問われるため,われわれ日本人は特別な対策をして臨む必要があります。この3つの試験に合格すれば“ECFMG certificate”という証明書が発行され,アメリカでレジデントとして働く権利が得られます。STEP3はUSMLEの最終試験であり,州免許を得るための試験という位置付けです

 USMLEはもちろん臨床留学するための試験ですが,その勉強自体が「最高の医学英語学習ツールである」というのが僕の持論です。今回と次回でSTEP1, 2 CK形式の英語長文問題の解き方,第3回で僕が最も教育に力を注ぐSTEP2 CSの攻略ポイントを解説します。

 さて,STEP1,2 CKはどちらも日本のCBT・医師国家試験と同じMCQ(多肢選択式問題)で,ひたすら問題を解き続けるのが合格への近道になります。「(日本で働く)自分には関係ない!」と思われるかもしれませんが,実は最近,「日本の」医師国家試験でもUSMLE形式の英語長文問題が出題されており,2019年度・114回ではなんと3問も出題されました。今後,さらに増える可能性もあるので,特に医学生はご注意を!

 題材として,STEP2 CK風のオリジナル問題を作成してみました。まずは何も言わず解いてみてくださいな。

A 37-year-old woman comes to the office for the follow-up. Medical therapy is significant for mild psoriasis and bipolar I disorder. The patient was diagnosed with bipolar at age 21 following a manic episode and has a history of 2 hospitalizations at age 25 and 34 for major depressive episodes. Her mood has been stable on valproate for the past 2 years; she takes no other medications. The patient recently got married and has been functioning well. She hopes to become pregnant and would like to stop her oral contraceptive in the next few months. During pregnancy, she would like to continue to take medication for bipolar disorder due to her concern about relapse.
 Which of the following is the most appropriate recommendation regarding pharmacological management in this patient?

A:Maintain valproate at the lowest effective dose
B :Switch to carbamazepine
C :Switch to haloperidol
D:Switch to lamotrigine
E :Switch to lithium
F :Switch to sertraline

 おそらくUSMLEの問題を初めて目にする方は,医学英単語ばかりからなる長文問題で,心が折れそうになることでしょう。なので,まずは問題に慣れるために「最初に問題文の最後を読む」ことをオススメします。この問題で言えば「Which of the following is~?」の部分で,「この患者の薬物療法の治療方針は以下のどれが推奨されるか」という意味ですね。問題の「テーマ」を最初に把握することで,「薬に関する情報」を意識しながら問題文を読み進められます。最初にここを飛ばしてしまうと,膨大な情報の海にたちまち溺れてしまうでしょう。

 問題のテーマを把握したら次は選択肢を見ます。この限られた情報だけでもさまざまなことを推測できます。皆さんはどこまでわかりましたか?

初心者レベル
「精神科系の問題であること」が把握できれば十分です。精神科系の薬に関する情報を意識しながら問題文を読み進めていけばOKでしょう。
中級者レベル
精神科系の薬の中でも双極性障害に使用される薬が主に列挙されていることから,「(おそらく)双極性障害の問題であること」までわかるようになります。さらに「双極性障害だとしたら,(好発年齢:10~30歳代から逆算して)おそらく比較的若い患者が出てくるだろう」と予想できるでしょう。
マスターレベル
選択肢を見た瞬間に「双極性障害の問題であること」を把握し,さらに「具体的に問われているパターン」まで判断できるようになります。僕の感覚だと,これらの選択肢から問われているパターンは①「現在の薬の効果が十分でない場合」,②「現在の薬の副作用が出てしまっている場合」,③「(女性であれば)妊娠のために薬を変更しないといけない場合」に分けられます。

 では次回,①~③のパターンに分けてそれぞれの選択肢を吟味していきましょう!

つづく

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