医学界新聞

2018.01.22



インターライセミナー2017開催


池上直己氏
 『インターライ方式ガイドブック――ケアプラン作成・質の管理・看護での活用』(医学書院)発刊を記念したインターライセミナー2017(主催=インターライ日本)が12月2日,「インターライ方式の導入と活用――ケアプラン作成・質の管理・看護教育」をテーマに聖路加国際大日野原ホール(東京都中央区)にて開催された。

 インターライ方式は,居宅・施設・高齢者住宅などあらゆる場面における高齢者の包括的アセスメント方式として,MDS方式から統合・刷新されたいわば「後継版」である。その実際と活用を論じた教育講演とパネルディスカッションの模様を報告する。

アセスメントデータを最大限まで活用可能に

 教育講演ではケアマネジメントの専門家の立場から高野龍昭氏(東洋大)が登壇。近年指摘されているADL評価などの評価基準の曖昧さに触れながら,インターライ方式の特徴である明確な評価基準と評価期間や,アセスメント結果から検討すべき問題が自動的に抽出されるトリガー(引き金)の仕組みを紹介した。

 続いて石橋智昭氏(ダイヤ高齢社会研究財団)は,高齢者の状態を可視化する各種スケール(尺度)と施設サービスの質管理に活用可能な介護QI(質の評価指標)を解説した。同方式ではアセスメントデータからこれらの指標が自動算出されるため,新たな手間を掛けずにデータの活用場面を広げることができるという。

あらゆる場面での多職種間連携に寄与

 「看護教育の課題と対応」と題されたパネルディスカッションでは,①地域包括ケアにおける活用,②看護教育での活用,③施設の看護職員による活用について話題提供があった。ディスカッションでは,急性期病院に入院する高齢患者の増加に伴い,以前にも増して急性期や回復期の医療―介護間での相互の情報共有の必要性が高まっていることに焦点が当たった。コーディネーターを務めた池上直己氏(聖路加国際大)は,多職種間連携における共通言語としてインターライ方式の活用を呼び掛け,セミナーを締めくくった。