医学書院

検索
HOME週刊医学界新聞 > 第3196号 2016年10月24日



第3196号 2016年10月24日


看護職が意見表明できる場を

「看護未来塾」設立記念フォーラム開催


南裕子氏
 看護の在り方や看護を取り巻く社会の状況について議論し問題提起を行う,「看護未来塾」の設立記念フォーラムが9月19日,日赤看護大(東京都渋谷区)で開催された。「未来は新たな知で拓く」をテーマに掲げたフォーラムには,発起人代表の南裕子氏(高知県立大)他25人の発起人の呼び掛けにより,約200人の参加者が集まった。

 設立記念フォーラムの冒頭のあいさつで南氏は,「看護未来塾」設立に至る背景として,「4つの危機感」があると訴えた。一つ目は,戦後70年を経た今,過去の戦争体験が風化することへの危機感を述べ,看護職も平和と基本的人権と健康を守るための行動が必要と語った。

 二つ目は,国内の経済財政状況の悪化による社会保障制度崩壊に対する危機感だ。健康格差や貧困問題に懸念を示し,「社会保障制度の中で働く看護専門職だからこそ,私たちはこれらの問題について発言していかなければならない」と語った。

 三つ目は,経済性や効率性が重視されすぎることによって人間性が阻害されていることへの危機感を挙げた。人間らしい心遣いや,思いやりのある看護を失いかねない医療現場の実情に懸念を表明した。

 そして四つ目には,長年にわたり弱者のケアに携わってきた看護職が物言わぬ集団になっているとの危機感があると主張。「納得できないことには主体性を持って声を上げる」「人が人をケアする仕事が大事にされる社会となるよう声を上げる」ことの必要性を強調し,設立の趣旨を語った。

 続いて行われたフォーラムでは延べ16人の演者が登壇し,平和と人道の実現,特定行為研修制度の課題,人口減少社会における地域の課題など8つのテーマについて多様な観点から問題提起がなされ,集まった参加者からも活発に意見が述べられた。