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Dr.いっしーの聴診レッスン

連載 石井大太

2026.10.02

前回は肺音の中でも基本となる呼吸音の評価についてレクチャーしました。
第7回ではいよいよ副雑音に着目していきます! cracklesや連続性ラ音の聴き分けのポイントを整理しましょう。次の質問の答えを考えてみてください。

Q1.cracklesはどのように分類したらよい?

A. 音質と吸気のどのタイミングで聴こえるかによって分類する

いよいよ皆さんお待ちかねのcracklesです。まずcracklesにはどのような分類があるか思い浮かべてみてください。大学などの講義ではcoarse cracklesとfine cracklesを分類として教わることが多いのではないかと思います。
さて,この2つを皆さんはきちんと聴き分けできていますか? それぞれの特徴と聴き分けのポイントを解説していきます。

まずcoarse cracklesは気道内分泌液の泡が弾ける音といわれており,音質は250~500Hzと比較的低いのが特徴です。聴取する疾患としては肺炎や肺水腫などが代表的ですね。一方,fine cracklesは浮腫や炎症が起こった肺の間質を背景として,硬くなった末梢の気道が突然解放されることによって生じる音といわれており,音質は500~1000Hzと比較的高調です。代表的な疾患として間質性肺炎が挙げられます。

では,coarseとfineはどのように聴き分けたらよいでしょうか? coarse cracklesは,雑音が「ブツブツブツ」や「ボコボコボコ」のような比較的1つの音として認識しやすいです。これに対してfine cracklesはマジックテープを剝がすような複合的な音であり,雑音を一つひとつの音として聴き取りづらいのが特徴です。あくまでもイメージですが,「カウンターを使って,聴こえるcracklesの数を数えてください」と言われた時に,明確に数えられるのがcoarse cracklesで,数えられないのがfine cracklesと私は認識しています。

ここまでは音質による分類を解説してきましたが,吸気のどのタイミングでcracklesが聴こえるかによっても分類することができます。すなわち,吸気の最初で聴こえるのか,全体で聴こえるのか,あるいは終わりだけで聴こえるのか,といった具合です。

・pan(holo) inspiratory crackles(吸気全相のcrackles)
cracklesが吸気の全体にわたって聴取されるもので,音質はcoarse cracklesであることが多いです。メインの病巣は肺胞であり,細菌性肺炎の急性期や肺水腫(心不全)などで聴取されます(図1)。

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図1 pan(holo) inspiratory crackles

・early inspiratory crackles(吸気早期のcrackles)
cracklesが吸気の初めにわずかに「パラパラ」と聴取されるもので,呼気終末で虚脱した細気管支が吸気に伴って再開通する音といわれています。聴取する疾患としてはCOPD(肺気腫)や気管支喘息などが挙げられます(図2)。

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図2 early inspiratory crackles

early inspiratory cracklesの特徴として,口元に聴診器の膜型を近づけると聴こえることがあります。ぜひトライしてみてください(動画)。

動画  口元で聴

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聖マリアンナ医科大学総合診療内科

2019年聖マリアンナ医大卒。大船中央病院にて初期研修の後,浦添総合病院病院総合内科にて後期研修を修了。24年より現職。同大の専門教育科目である診断学シリーズで講義を担当し,動画コンテンツを活用した身体診察の教育に携わる。編書に『フィジカル大全ー読んで,見て,聴いて,身体診察を完全マスター』(医学書院)。

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