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読むだけで自信がつく! 救急画像診断のスキルアップ講座

連載 放射線科医アレキ(渡邊義也)

2025.02.21

救急診療において,頭部CTの読影は患者の予後を左右する重要なスキルです。特に,頭蓋内出血の早期発見は治療方針の決定に直結します。

本稿では,微小な頭蓋内出血の検出を確実にする実践的な読影テクニックをご紹介します。

▼ 目次

50 50法の基本
 基本原理
 
具体的な手順
臨床応用
 1.微小出血の評価
 
2.hyperdense MCA signの評価

頭部CT読影の臨床的意義

救急外来や病棟での頭部打撲症例において,頭部CTは最も重要な診断ツールの一つです。しかし,微小な頭蓋内出血の検出には経験と適切な読影テクニックが必要です。特に,転倒外傷後の経過観察では,わずかな出血の有無が入院適応の判断を左右することもあります。

50 50法の基本

基本原理

50 50法は,Window Level(WL)とWindow Width(WW)をそれぞれ50に設定する手法です。この設定により,通常の階調では判別が難しい微小な吸収値の変化を視覚化することが可能となります。

具体的な手順

1.ビューワー上で右クリックしながらマウスを操作
 ・上下動:WLの調整
 ・左右動:WWの調整
2.画面のパラメータ表示で「WL=50,WW=50」を確認

放射線診断医は経験的に,脳実質を暗く,脳溝を強調する階調設定で読影を行います。50 50法はこの「見え方」を再現し...

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