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書評 熊澤寛人,小川胡桃,中澤貴志,髙野大河,吉井元,諏訪弘治,大志民一成

2024.03.11 週刊医学界新聞(レジデント号):第3557号より

 日常診療でエコーを活用したいと思いつつも、ハードルが高いと感じる方は多いのではないでしょうか。これからプローブを握ってみようという方におすすめのテキストとして『レジデントのための腹部エコーの鉄則』が登場しました。医学生や研修医の皆さんは、どこに使いやすさを感じたのでしょうか?

B5頁 2023年 頁288 定価:5,500円 (本体5,000円+税10%) [ISBN978-4-260-05085-2]B5頁 2023年 頁288
定価:5,500円(本体5,000円+税10%)
[ISBN978-4-260-05085-2]

https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/112069
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 自ら腹部エコーを行う際に,身に付けておくべき基本が「鉄則」形式でまとめられているのが特徴的で,要点をさっと読み返すのに非常に便利です。目次と一緒に「鉄則一覧」もあるので,これからポリクリ・レジデントと進むにつれて,興味のある分野を読み返していくと思います!

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「大動脈瘤が見つかるまで十分に圧迫する」。これは腹部大動脈瘤の描出のポイントで,上級医には当たり前のことかもしれませんが、初心者からすると大動脈瘤の圧迫は怖さがあるため驚きました。こうした当たり前のこともしっかり明記してあるのは、初心者に寄り添った内容で大変ありがたかったです!

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「実践編2 部位・領域別エコーの実践」では,実際の症例と行うべき走査法が一対一対応で載っていて,現場に出てからプローブを握る意欲がかき立てられました。「腹部エコーにあまり触れてこなかったけど,一度腰を据えて,じっくり勉強してみたい」。そんな方に,ぜひお薦めしたいです。

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他の本ではあまり見かけない身体の横から見た解剖図も学習できます。本書を片手に描出された構造物を同定しながらエコーを実践することで,体表から見た解剖や個人差・病的意義の鑑別への理解が進むと強く感じました。エコーを実践する前に本書で手技を確認し,実践後に解剖構造と流れを復習することでメキメキ技術が向上していることを実感しました。

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エコー像とプローブを当てている写真が豊富な点をお勧めしたいです。手技を行う前に予習がしやすいだけでなく,実際にエコーを当てて,うまく描出できなかった場合の復習にも活用できます。夜間当直帯など一人でエコーを当て,所見を判断する際の心強い味方です!

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「実践編3 症候別エコーの実践」はありそうでなかった切り口で,すぐさま救急外来で使える内容になっています。個人的には,解剖に準じた消化管や膵臓の描出の仕方や,虫垂炎・憩室炎・ヘルニアなどのcommon diseaseをエコーで診断する方法が目からうろこでした。

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「実践編1 超音波解剖と走査法」では,まず体表解剖の解説があり,実際にプローブを当てた際の臓器の関係をイメージしながら検査の動画を見ることができます。動画ではプローブの動かし方だけでなく,患者さんへの声掛けを繰り返して視聴できるため,臨床に出る前のシミュレーションとしても活用できます!


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