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『医療者のスライドデザインーープレゼンテーションを進化させる、デザインの教科書』より

連載 小林啓

2023.02.03

臨床や研究の現場では日常的にプレゼンテーションが求められるものの,発表時のスライドのデザインについて体系的に学ぶ機会はほとんどなく,スライド作成の手法に悩んだ方も多いことでしょう。また近年ではオンライン上での発表機会も増加しており,情報を正確に届けるための工夫を凝らす重要性が高まっています。

このたび刊行された書籍『医療者のスライドデザイン──プレゼンテーションを進化させる、デザインの教科書』では,効率的かつきれいで伝わりやすいスライドを作成できるような工夫が豊富な実例集とともに散りばめられています。本書を片手にスライドデザインのスキルを磨いてみませんか。

「医学界新聞プラス」では,実例を用いたスライド作成時のポイントの紹介など,本書の中から4つの項目を抜粋し,公開をしていきます。

タイトルスライド

きれいに文字を組むことは単純なようでかなり奥の深い作業です。この先に期待をもたせるスマートなタイトルをデザインしましょう。

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ポイント1 ジャンプ率

画面内の小さな文字と大きな文字の差をジャンプ率と呼びます。タイトルスライドではそれぞれの情報の文字を大きくするよりも、ジャンプ率を上げて演題を相対的に大きくしたほうが画面にメリハリがつきます。

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ポイント2 文字だけできれいに見せる

デザインをする、といわれるとデコレーションや配色、フォントの種類などに気をとられがちですが、まずは白い背景に黒い文字を並べたときにきれいに見える文字組みを作ることが大切です。テキストの整列や行間の調整、余白のバランスなどで印象がかなり変化することがわかります。

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ポイント3 シンプルな装飾をする

いきなり凝ったデザインに挑戦すると失敗します。まずは四角形を加えるだけのような、シンプルな装飾を試してみましょう。 文字に四角を加えるだけでも、大きさや位置、塗りと枠、色の使い方でさまざまなパターンを作ることができます。

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ポイント4 テンプレートの注意点

スライドソフトにはいくつものデザインテンプレートがあり、華やかに装飾をしてくれますが、文字のバランスが崩れやすく要注意です。 特に研究発表ではタイトルが長くなりやすいので、しっかり意識をしてレイアウトをしましょう。

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プレゼンテーションで悩む、すべての医療者・学生へ

<内容紹介>研究や発表で使う「スライド」をよりきれいに、よりわかりやすく作るための指南書。一般的なデザインのルールはもちろん、医療職者が多用する「数字」「グラフ」「画像」「フローチャート」などに特化した解説も掲載。医療系スライドの多数の実例を示し、具体的な改善方法を提案する。汎用プレゼンテーションソフトで使用できるフォーマットやアイコンのダウンロード、実際の作成過程の動画付き解説などの付録も充実。

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