高齢脳卒中者の重症化予防に向けた革新的アプローチによって未来を変えるために
第29回 日本神経理学療法学会サテライトカンファレンスの話題より
取材記事
2023.12.04 週刊医学界新聞(レジデント号):第3544号より
第29回日本神経理学療法学会サテライトカンファレンス(集会長=国際医療福祉大・金子純一朗氏)が,「未来を変える! 高齢脳卒中者の重症化予防に向けた革新的アプローチ」をテーマに,ライトキューブ宇都宮(宇都宮市)の会場およびオンライン配信によるハイブリッド形式で開催された。本会は,日本老年療法学会との共催,日本予防理学療法学会の後援によるものであり,3題の講演のほか,分科学会の垣根を超えた共同教育講演,事例検討と総合討議が行われた。
◆脳卒中者が長く自分らしくいられるために
まず,オープニングリマークスとして集会長の金子氏が,高齢脳卒中者の重症化予防の現状と目標を述べた。
続いて3題の講演が行われた。講演Ⅰでは「地域在住高齢者における重症化予防:コホート研究の知見から」と題して,片山脩氏(米コロンビア大)がさまざまなコホート研究の結果から脳卒中後に退院した高齢者の重症化リスクについて解説した。続く講演Ⅱでは,千葉大予防医学センターの井手一茂氏が「ゼロ次予防による重症化対策の可能性――暮らしているだけで健康になれるまちづくりの社会実装から」と題して,多様な世代が社会参加しやすくなる社会実装について,公衆衛生学的な観点から発表した。3題目の講演を務めた小宅一彰氏(信州大)は,脳卒中者の転倒リスクを予防するために,起立性低血圧の発症メカニズムとその評価方法について述べた。
日本老年療法学会の理事である野添匡史氏(関西医大)は共同教育講演として,栄養管理の観点から体重と下腿周囲径の定期的な測定の重要性について発表した。
その後,赤池優也氏(袖ヶ浦さつき台病院)と木村鷹介氏(関東学院大)が事例検討を行い,同会最後の総合討議では高齢脳卒中における「重症化予防」の定義や,具体的な指標について活発な議論がなされた。
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