持続可能な訪問看護事業所運営をめざす
第12回日本在宅看護学会学術集会の話題より
取材記事
2022.12.12 週刊医学界新聞(看護号):第3497号より
2021年度中に新規で立ち上げられた訪問看護事業所は約1800件であった一方,750件近くが事業の廃止もしくは休止に追い込まれた現実がある1)。こうした状況下,地域のニーズと期待に応えられるよう中・長期的な運営をしていくには何が必要か。11月19~20日に中野サンプラザ(東京都中野区)で開催された第12回日本在宅看護学会学術集会(集会長=ケアプロ株式会社・川添高志氏)において開催されたシンポジウム「組織戦略から見る経営のサステナビリティ」(座長=常磐大・角田直枝氏)の模様を報告する。
◆さらなる在宅医療業界の発展のために創意工夫を施した経営を
「訪問看護ステーションの質確保と安定的事業運営を目的とした大規模化」と題して発表した中島朋子氏(株式会社ケアーズ 東久留米白十字訪問看護ステーション)は冒頭,訪問看護を取り巻く状況を参加者に共有。訪問看護ステーション1万4304か所1)のうち,常勤換算で看護職員が5人未満の小規模な事業所が約半数を占めることを示した。この現状を受けて氏は,勤務環境の改善や経営の安定などの事業所の規模拡大によるメリットを挙げ,「持続可能な事業運営を実現し,訪問看護のさらなる質向上をめざすべき」と訴えた。
続いて登壇した藤野泰平氏(株式会社デザインケア)は,会社のビジョンに沿った人材育成の重要性を説いた。「日本の隅々まで最高のケアを届ける社会インフラを創ろう!」とのビジョンを掲げて訪問看護事業に取り組む同社では,①ミスマッチを防ぐための会社ビジョンの共有・浸透,②心理的安全性...
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