金原一郎記念医学医療振興財団助成金
2020.04.06
金原一郎記念医学医療振興財団助成金
第4回生体の科学賞は東京女子医大の丸義朗氏に
第4回生体の科学賞の授賞者が2月14日,丸義朗氏(東京女子医大)に決定した。同賞は金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=東大名誉教授・野々村禎昭氏)の基金をもとに,2016年度に創設。基礎医学医療研究領域における独自性と発展性のあるテーマに対して,研究費用全般への支援を目的に,1 件500 万円の助成を行うものである。
今回は,丸氏による「転移前微小環境形成における神経ガイダンス分子の役割」が受賞した。癌による死亡原因の大半は転移によるため,いかに転移を防ぐかが生命予後の向上には重要である。しかし,いまだに癌細胞の転移臓器指向性を決める要因について,詳細は不明である。丸氏は肺転移に注目して研究を進め,癌細胞が分泌するephrin-A1が肺の血管内皮に発現しているEphA1を活性化し,血管内皮を刺激することを突き止めた。転移に適した環境が醸成されるメカニズムの解明に寄与したことが評価された。
第34回研究交流助成金・第34回留学生受入助成金対象者を選定
金原一郎記念医学医療振興財団は2月14日,第34回研究交流助成金・第34回留学生受入助成金対象者として27人を選定した。同財団は基礎医学・医療研究への資金援助と人材育成を目的に,年に2回,助成金を交付している。下期である今回は,海外で行われる基礎医学医療に関する学会等への出席を助成する研究交流助成金,基礎医学医療研究を目的に日本へ留学する大学院生等を助成する留学生受入助成金が交付された。
*助成金の詳細については,同財団助成事業募集要項(https://www.kanehara-zaidan.or.jp/subsidy/aid)を参照されたい。
No. | 氏名 | 所属機関(略称) | 助成対象 |
1 | 川畑 伊知郎 | 東北大/薬学/薬理学 | 国際アルツハイマー・パーキンソン病治療会議 |
2 | 菊地 晃一 | 東北大/病院/腎・高血圧・内分泌科 | 第80回米国糖尿病学会議 |
3 | 口丸 高弘 | 自治医大/分子病態治療研究センター | 米国癌学会 定例会議2020 |
4 | 斎藤 将樹 | 東北大/医学研/分子薬理学 | 2020年米国細胞生物学会年会 |
5 | 佐久間 一基 | 千大/医学/分子病態解析学 | 2020年米国内分泌学会 |
6 | 佐藤 慎哉 | 神奈川県立がんセンター/がん分子病態 | 第9回国際細胞外分泌小胞学会総会 |
7 | 佐藤 崇 | 慶大/呼吸器内科 | 世界肺癌学会議2020 |
8 | 清水 太郎 | 徳大/医歯薬/総合薬学研究推進学 | 第12回欧州・世界CLINAMサミット |
9 | 末冨 建 | 山口大/医学/器官病態内科学 | 2020年米国心臓協会学術集会 |
10 | 鈴木 敏夫 | 筑波大 /臨床腫瘍学 | アメリカ胸部医学会 国際学会2020 |
11 | 大黒 達也 | ケンブリッジ大学/心理学部 | The Neuroscience & Music-Ⅶ |
12 | 永井 洋介 | 慈恵医大/糖尿病・代謝・内分泌内科 | 第80回米国糖尿病学会学術集会 |
13 | 中野 竜一 | 奈良医大/微生物感染症学 | 米国微生物学会議2020 |
14 | 藤井 亮輔 | 藤田医大/医療科学/予防医療情報解析学 | 第22回国際疫学会 |
15 | 藤田 幸 | 阪大/分子神経科学 | FENS Forum 2020 |
16 | 本間 拓二郎 | 山形大/医学研/生化学分子生物学 | 第25回米国フリーラジカル学会議 |
17 | 真壁 幸樹 | 山形大/理工学/バイオ化学工学 | 抗体工学・抗体医薬学会欧州大会 |
18 | 増田 明 | 同志社大/脳科学/認知行動神経 | 第12回ヨーロッパ神経科学連盟研究会議 |
19 | 三輪 徹 | 京大/耳鼻咽喉科・頭頸部外科 | 第31回バラニー学会 |
20 | 渡辺 崇 | 藤田医大/生化学 | 米国癌学会 定例会議2020 |
21 | Istiaq Arif | 熊大/生命科学/神経分化学/太田訓正准教授 | Deciphering the reprogramming mechanism of pluripotency acquisition by ribosome incorporated cells. |
22 | Saikruang Wilaiporn | 京大/生命科学/ウイルス・再生医学研/藤田尚志教授 | The RNA helicase DDX3 is an essential mediator of innate antiviral immunity |
23 | Shrestha Suman | 群大/放射線診断核医学/対馬義人教授 | 1. Source of urinary fatty acid bng protein 1 in acute kidney injury 2. Theranostic study of differentiated thyroid cancer using radiolabeled tracers 3. Role of positron emission tomography/ computed tomography in cancers treated with carbon ion radiotherapy |
24 | Chen Yu | 国立がん研セ/基礎腫瘍学/大木理恵子ユニット長 | 様々な臓器に発生する神経内分泌腫瘍の全容解明 ~神経内分泌腫瘍のがん抑制遺伝子PHLDA3の機能解析を通じて~ |
25 | HAQUE MUHAMMAD NAZMUL | 浜松医大/光ゲノム医学/簑島伸生教授 | Exploring pathogenic mutations from various classes of retinal dystrophy cases: a genomic and molecular biological approach to find complex mutations |
26 | FEKADU KEBEDE SINTAYEHU | 島根大/微生物/吉山裕規教授 | Epstein-Barrウイルス感染時に生じるミトコンドリアDNA損傷の生理的意義の解明 |
27 | 鮑 宏亮 | 宮崎大/機能制御/物質科学/徐岩教授 | 19F-NMRにより実現するがん細胞特異性識別技術の開発 |
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