医学界新聞

2019.09.30



RA協議会第5回年次大会開催


 RA協議会第5回年次大会が9月3~4日に「URAシステムの定着に向けて――構想,越境,創発」をテーマに開催された(会場=東京都調布市・電気通信大)。近年,「査読付き」をうたいながらも実際には査読を行わない粗悪学術誌「ハゲタカジャーナル」の存在が指摘される。セッション「ハゲタカジャーナル――問題点・現状・対策」(オーガナイザー=金沢大・佐藤智哉氏)では,問題点と現状が整理された。

ハゲタカジャーナルは科学研究の質,「査読済み論文」の信頼を脅かす

 最初に登壇したのは,一連の報道を牽引してきた鳥井真平氏(毎日新聞社)だ。ハゲタカジャーナルの問題を語る際,ハゲタカジャーナルと知らずに投稿し,トラブルに巻き込まれるケースが懸念される。しかし取材での聞き取りから氏は,利用者の多くは意図的にハゲタカジャーナルへ投稿したとの実感を持つという。氏らが独自に行った分析において,特定の研究者が繰り返しハゲタカジャーナルに投稿するケースが目立ったことからも故意の投稿が示唆される。「研究者は業績を確保し,出版社は論文掲載料を稼ぐ。研究者と出版社で互助関係が成立してしまっている」と氏は懸念した。

 ハゲタカジャーナルが跋扈することで起こる問題とは何か。その例には,「国際誌に掲載された」と喧伝...

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