医学界新聞

2019.06.10



第10回PC連合学会開催

 第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(大会長=弓削メディカルクリニック/滋賀家庭医療学センター・雨森正記氏)が5月17~19日,「これまでの10年 これからの100年」をテーマに国立京都国際会館(京都市)にて開催された。併催のWONCAアジア太平洋地区大会(大会長=愛知医大・伴信太郎氏)と合わせ6467人の参加者を集めた。本紙では,学会が全日本病院協会(全日病)と取り組む総合医育成プログラムの開発状況と,日本のプライマリ・ケアの歴史を探究したシンポジウムの模様を報告する。


草場鉄周理事長
本年4月に日本PC連合学会新理事長に就任した草場鉄周氏(北海道家庭医療学センター)は,プライマリ・ケアが日本社会の基盤インフラとなることを目標に,学会の中期的な運営方針として①プライマリ・ケア診療の普及と質向上支援,②プライマリ・ケア領域の専門職の養成とキャリア支援,③臨床研究や国際活動を中核とした学術的な発信を挙げた。また,新・家庭医療専門医制度の創設など,同領域のさらなる強化に乗り出すことを表明した。


 地域の医療機関で働く医師の総合医へのキャリアチェンジを支援するため,全日病は2018年7月から認定総合医育成事業を開始した。日本プライマリ・ケア連合学会は全日病の委託を受けてプログラムを開発し提供している。シンポジウム「総合診療医へのキャリアチェンジを支援する研修プログラムの開発」(座長=筑波大・前野哲博氏,春回会・井上健一郎氏)では,同プログラム構築の背景と内容が紹介された。

 初めに,全日病常任理事を務める井上氏が,地域包括ケアの実現に向け,地域に密着した病院に求められる要点として,①臓器別にとらわれない幅広い診療,②多職種からなるチーム医療のマネジメント,③予防・健康増進や介護施設との連携を列挙。個々の医師がそれまでの専門性や経験を生かしながらプライマリ・ケアを実践できるためのプログラムを開始したと説明した。

 「基本コンセプトは,プライ

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