2018年度保助看国家試験合格発表
2019.04.22
2018年度保助看国家試験合格発表
保健師・助産師の合格率は上昇,看護師の合格率は低下
厚労省は3月22日,2018年度の第105回保健師国家試験,第102回助産師国家試験および第108回看護師国家試験の合格者を発表した。合格率は,保健師81.8%,助産師99.6%,看護師89.3%(表)。保健師,助産師の合格率は2017年度より上昇した一方,看護師の合格率はマイナス1.7ポイントとわずかに下落した。学校区分による合格状況は本ページ下部に示す。
表 保助看国試合格者数・合格率の推移 |
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採点除外等となる問題は近年多い傾向にあったが,18年度は看護師国家試験の3問のみ。うち2問は設問設定が不十分だったため,考えられる複数の選択肢が正答となった。
合格発表会場の1つとなった東京・厚労省講堂には,受験者やその家族,学校関係者らが発表時刻前から長蛇の列を作った。発表が始まると,喜びの声が上がり,自分の受験番号をスマートフォンで撮影したり,抱き合って合格を喜び合う姿が見られた。
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写真 受験番号を照合する受験者 |
本紙の取材に応じた看護師国家試験合格者は,「状況設定問題が難しかったが,今までの努力を思い出して頑張った。患者さんを第一に考えられる看護師になりたい」と笑顔で抱負を語った。
看護専門学校の教員は,試験問題について「例年通りの難易度。昨年に比べシンプルな出題が多かった」と振り返った。別の看護専門学校教員は,近年の臨床に即した出題が多い傾向を踏まえ「実習の機会を活用してアセスメント力の強化を図ったことで,長文の状況設定問題にも対応できたのではないか」と,実習を通じた教育への手応えを示した。
第108回看護師国家試験の出題傾向分析
斉藤 由美(東京アカデミー東京校 講師) 必修問題:やや易化第107回に比べると全体的に易化し,正答を導きやすかったと思われる。しかし,「AM 3セリエ,H.の理論」のような人物に関する問題は例年多くの受験生が苦手としており,過去に出題がない人物に関する問題では特に正答率が伸び悩む(東京アカデミーの独自調査による分析)。関係法規・社会保障に関する問題は,地域包括ケア,国民健康・栄養調査等の頻出テーマからの出題が続いている。「AM 10男性における肥満者の割合」は若干難しかっただろう。解剖生理学・基礎看護学に関する問題は内容・難易度とも例年通りである。 一般問題:視覚問題が激減,やや難化第107回では8問の出題があった視覚素材を用いた問題が激減し,2問であった。その他の特筆点としては,「AM 26三叉神経」,「AM 31正中神経」, |
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