医学界新聞

寄稿

2019.03.25



【FAQ】

患者や医療者のFAQ(Frequently Asked Questions;頻繁に尋ねられる質問)に,その領域のエキスパートが答えます。

今回のテーマ
学会でSMARTにプレゼンをするには?

【今回の回答者】前田 圭介(愛知医科大学大学院医学研究科緩和・支持医療学講師)


 学会は,皆さんが苦労してまとめた研究成果を公に発表する場です。患者さんなどの研究参加者から得られた生のデータを分析し,発表するわけですから,プレゼンテーション(以下,プレゼン)の失敗だけは避けたいところです。学会でのプレゼンにはいくつかのコツがあります。本稿では,プレゼンで押さえておきたいコツをQ&A形式でまとめました。


■FAQ1

発表に使うスライドを作成しました(図1a,b)。研究内容をよりわかりやすく伝えるスライドにするためにアドバイスをお願いします。

図1 失敗プレゼンスライド(a,b)と,改善例(A,B)(文献1より改変)(クリックで拡大)
Aは,スライドタイトルにスライドの要旨を示し,本文は要約して箇条書きにした。また,スライド全面を効果的に使うため,フォントサイズを大きくした。Bは,補足情報にインデント(段下げ)を活用することで,リード文を視覚的に判別しやすくした。

 Microsoft PowerPointなどのプレゼン用スライド作成ソフトで作るスライドを前提にお答えします。気を付けてほしいことは多いですが,その中でも特に気を使いたいことが3点あります。

文字を大きく,無駄に長い文を書かない(シンプルに,図1A)。

 学会発表の聴衆は,その研究について初めて知る人ばかりです。スライドに文章が書かれていると,発表内容を理解するために文章を読もうとします。しかし,プレゼン時には発表者が言葉(音声)でもスライド内容を説明します。スライド上の文字を読みつつ,言葉をしっかり理解することはとても難しいものです。伝えたい内容を端的にスライド上に見せつつ,言葉で理解を促進させるように発表するべきです。

何が言いたいのか,できればスライドタイトルに書く(図1A)。

 人は自然と,スライドを上や左から見ていきます。この習性を利用し,スライドタイトルにそのスライドの要旨やメッセージを込めることが大事です。何が言いたいスライドなのかを最初に示すことで,その後に続く詳細を理

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