医学界新聞

2019.03.18



NST専門療法士の上部資格を新設
第34回日本静脈経腸栄養学会の話題より


 日本静脈経腸栄養学会が栄養サポートチーム(NST)専門療法士制度を創設し,2004年に最初の認定を行ってから14年が経過。学会ではこのたび,疾患領域別での新たな認定制度を新設することを決定した。第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会(日時:2月14~15日,会場:グランドプリンスホテル新高輪,他)の会期中に開催されたシンポジウム「日本静脈経腸栄養学会 臨床栄養代謝専門療法士(仮称)制度の誕生」(司会=北里大・比企直樹氏,大阪国際がんセンター・飯島正平氏)において,新制度の概要が明らかにされた。

専門領域は9領域,暫定認定期間を経て本認定は2024年開始

 臨床栄養代謝専門療法士(仮称)制度はNST専門療法士の上部資格として位置付けられ,領域分類としては①がん専門療法士,②肺疾患専門療法士,③肝疾患専門療法士,④腎疾患専門療法士,⑤リハビリテーション専門療法士,⑥在宅専門療法士,⑦小児領域専門療法士,⑧摂食嚥下専門療法士,⑨周術期・救急集中治療専門療法士の9領域から成る。NST専門療法士の資格保持者は9つの専門領域から自ら専門としたい領域を選択し,取得申請を行う(1回以上の更新認定を受けたNST専門療法士が対象で,取得領域は1人1領域に限定される)。

 シンポジウムでは,司会の比企氏・飯島氏が新制度の概略を説明した。新制度は当面の間は9領域で進めるが,今後さらに領域を増やす可能性もあるという。比企氏は「自身が選択した領域の専門性を向上させることが,学会員の人材育成にもつながる」と強調した。その後に医師・看護師・管理栄養士・薬剤師の演者が,それぞれの立場から新制度への期待を語った。

 本資格の認定は2024年(申請開始は2023年)に始まり,2019年から5年間の暫定認定期間が設けられる(要件等の詳細は学会ウェブサイトに掲載予定)。がん専門療法士の認定を皮切りに,その他の領域についても順次スタートする見込みだ。

シンポジウムの模様

*日本静脈経腸栄養学会は,2020年1月に「日本臨床栄養代謝学会」に改名される。

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