日本看護学教育評価機構設立記念講演会開催
2018.11.26
日本看護学教育評価機構始動
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日本看護学教育評価機構代表理事の高田早苗氏 |
看護学教育の質保証への決意を胸に
開会のあいさつでJANPU代表理事の上泉和子氏(青森県立保健大)は,看護系大学数が30年で25倍に増え,人材育成,研究開発,地域貢献への成果が示されてきたと振り返った。JANPUは教育の質保証のため,2002年より分野別評価に向けた取り組みを開始。今年6月に「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」を公表した。氏は,「JABNEの設立により評価システムが整い,看護学教育の質向上の基盤がそろった」と,JANPU,JABNEの協働に期待を示した。
最初に講演した文科省高等教育局医学教育課の荒木裕人氏は,看護学分野における教育の質保証制度を,先行する医・歯・薬学分野と比較した。医・歯・薬学分野には各大学による自己点検の他に第三者評価機関があると指摘した上で,「対人コミュニケーションが求められる医療分野では,質の高い教育が求められる」と述べ,看護学教育分野の第三者評価機関であるJABNEの設立を歓迎した。
続いて米国の高等看護教育委員会(Commission on Collegiate Nursing Education;CCNE)のJennifer Butlin氏がCCNEの取り組みを紹介した。中でも,評価基準,ミッションとガバナンス,(親)機関のコミットメントと資源,カリキュラムと教授学習,プログラムの効果について詳細に説明した。氏は「教育評価の最大の目的は,教育の質向上のたゆまぬ努力を教育機関に促すことにある」とし,自己点検による改善点の検索,改善策立案が特に重要と強調した。また,教育の質向上の取り組みが継続的に実施されているかを評価するために,中間評価などのレポートを課しているという。
最後に,JABNE代表理事に就任した高田早苗氏(日赤看護大)が分野別評価案を説明した。評価は双方向性を重視し,受審大学の自己点検・評価とそれに基づくピアレビューの過程で,受審大学と評価者の意思疎通を図る構想だ。氏は,分野別評価を「看護学教育の質担保という社会への責任であるとともに,教育の質向上への全看護系大学の決意の表れである」と強調し,JABNEの取り組みに熱意を示した。
今後は2020年に分野別評価を試行し,その結果を受け最終的な評価基準や評価方法を決定する。2021年から本格的に実施する予定だ。
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