医学界新聞

2018.07.23



看護診断開発の強化と洗練を宣言
NANDA-I 2018年大会,米ボストンで開催


上鶴重美理事長
 NANDA International(以下,NANDA-I)の2018年大会が6月13~15日,米国・ボストンにて開催された。大会のテーマは,「看護診断と知識開発――新たな幕開け(Nursing Diagnosis and Knowledge Development:New Beginnings)」。北米・中南米を中心に,欧州・アジア・アフリカも含む22か国から約230人が参加した。今大会の会場ともなったボストン・カレッジ看護学部とNANDA-Iのパートナーシップの詳細や,NANDA-NIC-NOCの各国の導入状況などが紹介され,白熱した議論が終日交わされた。

日本人2氏が受賞 さらなる看護診断の充実をめざして

 上鶴重美理事長の開会のあいさつの後,NANDA-Iとボストン・カレッジ看護学部とが共同運営する研究所「マージョリー・ゴードン 臨床推論と知識開発プログラム」(The Marjory Gordon Program for Clinical Reasoning and Knowledge Development)の展望が発表された。ボストン・カレッジの協力を得て,エビデンスレベルが現在不確かである70以上の看護診断についての研究や,教材開発に力を入れ,NANDA-I看護診断の開発と洗練をより強化していくことが宣言された。

メンター賞を受賞した大島弓子氏
 レセプションでは,NANDA-Iのオフィシャルジャーナルに投稿された論文の中から,下舞紀美代氏(関西看護医療大)他による『日本におけるNANDA-I看護診断“死の不安”を選択することの困難さ』(Int J Nurs Knowl.2018[PMID:27650909])が編集長賞(Editor’s Award)に選ばれた。また,看護教育における看護診断の普及に貢献したとして,大島弓子氏(豊橋創造大)がメンター賞(Mentor Award)を受賞した。

 最終日には,医学診断を中心に多職種チームケアが展開される現状が指摘された。今後は看護診断と在院日数や死亡率・再入院率などのデータを結び付けて,看護ケアの効果を検証する研究の必要性が確認され,閉会となった。

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