医学界新聞

2018.04.02



Medical Library 書評・新刊案内


眼瞼・結膜腫瘍アトラス

後藤 浩 著

《評 者》坂本 泰二(鹿児島大大学院教授・眼科学)

臨床眼科医の悩みを解決する決定版

 眼瞼や結膜の腫瘍は,眼科外来で頻繁に遭遇する疾患である。しかし,生検以外で確定診断することは難しく,臨床医を大いに悩ませるものではないだろうか。眼科病理学の日本の第一人者である後藤浩教授による本書は,この悩みを解決するための決定版になるものといえる。

 本書の素晴らしい点は,各疾患を理解するために必要な情報が,第一線で働く臨床医に理解しやすいように書かれている点である。腫瘍性疾患の本態を理解するには,病理組織像を理解する必要があるが,一般臨床においてまず得られる情報は外眼部の所見である。そして,臨床医はそれだけの情報に基づいて,ある程度正確な診断を患者に提供する必要がある。そのため,本書では美しい外眼部写真が過不足なく提示されている。海外の成書では,数多くの写真が提示されているものもあるが,それらは研究のためには重要でも,目前の患者を診断するには,むしろ判断を迷わせる。本書で示された写真は,診断のために重要な所見を中心に示されており,診断のためには必要かつ十分であるといえる。さらに,その所見を理解するために,重要なものに...

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